薬にはさまざまな剤形があるのはなぜ? 効能や効果が十分に発揮できるよう最適な形に

医師から処方される薬やドラッグストアなどで販売されている薬には、顆粒剤・錠剤・カプセル剤など、さまざまな剤形があります。中には、同じ成分でも異なる剤形の薬が販売されているケースもあります。では、なぜ薬にはさまざまな剤形があるのでしょうか。また、剤形によって吸収速度や効果の現れ方に違いはあるのでしょうか。

薬の剤形は、体のどの部分で溶け、どのくらいの時間で吸収されるかなど、薬の効能と効果を十分に発揮させることを考えた形になっているそうです。そのため、同じ成分でも用途に応じて剤形が異なる場合があるのです。剤形は、大きく内服薬(経口薬)と外用薬の2つに分かれます。それぞれの剤形の特徴をみていきましょう。

内服薬は、口から飲む薬で、胃や腸で吸収され、肝臓を経て血液中に入り、病気の現場まで運ばれて治療効果をもたらします。外用薬に比べて、作用が穏やかで保存性がよい反面、効果が出るまでに時間がかかるという欠点もあります。内服薬の代表的な剤形としては、「散剤」「顆粒剤」「錠剤」「カプセル剤」「液剤・シロップ剤」が挙げられます。

「散剤」は、速く作用させるために薬を粉末状にしたものです。症状や年齢に合わせて分量を調節しやすいのが特徴で、苦味があるものはオブラートなどに包むとよいそうです。「顆粒剤」は、むせたり苦味を残したりしないよう、散剤を飲みやすく細かい粒状に加工したものです。徐々に溶けるように加工されたものもあるので、噛み砕かずに服用してください。

「錠剤」は、薬を圧縮して一定の形にしたものです。水で飲む一般的な固形状の薬と、噛みながら口の中で溶かしていくチュアブル錠、舌下に入れてゆっくりと溶かし、口の中の粘膜から吸収させる舌下錠があります。「カプセル剤」は、ゼラチンで作られたカプセルに薬を詰めたものです。カプセルの厚さなどによって、最も効果を上げる場所で溶けるように工夫されています。「液剤・シロップ剤」は、液体状の薬で、吸収がよく、乳幼児にも飲みやすいのが特徴です。ただし、変質しやすいので冷蔵庫などで保存し、使用期限には注意が必要です。

一方、外用薬は、皮膚や粘膜など体の表面に塗ったり貼ったりする薬です。薬をつけた場所で直接治療効果をもたらします。患部に直接作用するので効果が速く現れ、消化器を経由しないので胃腸障害などの副作用がない反面、内服薬に比べて効き目が弱く応用範囲が狭いなどの短所もあります。外用薬の代表的な剤形としては、「軟膏剤・クリーム剤」「液剤」「点眼剤」「坐剤」「貼付剤」が挙げられます。

「軟膏剤・クリーム剤」は、皮膚や粘膜に直接塗る薬です。軟膏剤は一般的に油性で水をはじきます。クリーム剤は一般的に水性でよく伸び、べたつきがありません。「液剤」は、うがい薬、消毒薬、虫刺され薬などで使用される剤形です。「点眼剤」は、いわゆる目薬のことで、直接目に投与する薬です。「坐剤」は、肛門から挿入する薬で、体内に入ると溶けます。胃への副作用がなく、即効性と持続性があるのが特徴です。「貼付剤」は、患部に貼って使う薬です。多くは打ち身や筋肉痛など、主に痛みと炎症を抑える薬の成分を皮膚から体内に浸透させます。(監修:健康管理士一般指導員)


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