老化にともなう動悸・息切れの原因とは?心臓や肺に病気が隠れていることも

年齢を重ねるにつれて、坂道や階段を昇るといったちょっとした動作でも息が切れたり疲れたりすることが多くなります。「もう年だから仕方がない」と納得している人も多いのではないでしょうか。しかし、動悸や息切れの裏には、老化にともなう心臓や肺の機能の衰えと共に、何らかの病気が隠れていることもあるので注意が必要です。

高齢者は、一般的に全身の動脈硬化が進んでいる状態であり、それにともなって血圧が上昇します。こうなると、心臓は高い血圧に打ち勝って全身に血液を送らなければなりません。血液を送る力を補おうと次第に心臓の壁が厚くなります。こうして全体的に心臓が大きくなる「心肥大」が現れます。心臓の壁が厚くなると、十分に伸び縮みができず、血液が入りにくくなり、肺や下肢にうっ血を起こす状態になりそうです。

また、心臓壁の内側の血流も悪くなり、心臓の機能低下を起こします。病名でいうと、心筋梗塞や狭心症につながる心筋虚血などになります。さらに、高齢になると心臓の弁が硬くなり、ときにはカルシウムが沈着し、弁が閉じにくくなる「弁膜症」が現れます。このほかに、ペースメーカー細胞の数が減少したり、その働きが悪くなることで、「不整脈」も起こりやすくなるとのこと。

次に、肺の機能低下による「息切れ」を見てみましょう。息切れは、必要とする酸素が呼吸で取り込めない状態です。肺は、ちょうど大きなスポンジのように、小さな気腔が密集した臓器で、この気腔を肺胞と呼びます。肺胞は、とても薄い膜でできていて、その周囲を毛細血管が張り巡らされています。酸素や二酸化炭素が毛細血管へと受け渡しされるガス交換の場となります。

年をとると、この肺の気腔が拡大し伸びきってしまうことで伸縮する力が弱くなります。これが、肺の換気を悪くすることにつながり、酸素を十分に取り入れることができなくなるとされています。肺の機能が低下した状態で、安静にしているときに取り込む酸素量は年齢に関係なく変わりませんが、運動したときなどの肺活量は20歳を100%とすると50歳で80%、80歳で60%まで低下するといわれています。

このような肺の老化にともなって、注意しなければならない病気の一つに「肺気腫」があります。肺気腫は、ガス交換の場である肺胞が破壊される病気です。そのため、肺気腫になると体内の酸素が不足しやすく、体を動かしたときに息苦しさを感じます。特に、喫煙歴の長い中年男性がかかりやすい病気とされており、今まで平気だった駅の階段などで息苦しさを感じたら、医師の診察を受けることをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)


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