筋肉はどうやって動いている? 前編~自分の意志で動かせる「骨格筋」の仕組み

私たちは普段意識することなく、体を自由に動かすことができます。それは、筋肉があるからです。私たちの体重の約40%を占める筋肉が、加齢や病気などで衰えたり異常が起こったりすると、何気ない日常の動作が困難になる場合もあります。その結果、活動範囲が狭まったり、寝たきりの原因になったりして生活の質が低下してしまいます。そこで今回は、そもそも筋肉はどのような構造をしているのか、どのような役割を担っているのかなどについて紹介します。

筋肉は大きく分けて「横紋筋」と「平滑筋」の2つに分類されます。横紋筋は、アクチンとミオシンというひも状のタンパク質が、交互に規則正しく並んでいる様子が縞模様のように見えることからその名が付きました。さらに横紋筋は、運動に関与する「骨格筋」と心臓を動かす「心筋」に分けられます。一般に、筋肉というと骨格筋を指します。

骨格筋は、随意筋であるため手足のように自分の意志で動かすことができます。骨格筋は、「筋束」と呼ばれる束が寄り集まって構成されており、筋束は「筋線維」と呼ばれる細い線維が集まって束になったものです。筋線維は筋細胞とも呼ばれ、1本が細胞1つに該当します。例えば、長さ50㎝に当たる太ももの筋肉の筋線維でさえも1つの細胞なのです。

なぜ筋線維という細胞が、他の一般的な細胞と比較して長いかというと、筋細胞はもとになる数百個の筋芽細胞がひとつに融合してできた細胞だからです。そのため1本の筋線維の中にはたくさんの細胞核が存在していることから多核細胞ということになり。さらに、筋線維の中には「筋原線維」という線維が詰まっており、この筋原線維が収縮と弛緩を繰り返すことで体の運動が可能になるのです。

また、筋原線維は「太い線維」と「細い線維」の2種類が規則正しく交互に並んだ構造をしています。太い線維は主に「ミオシン」、細い線維は主に「アクチン」というタンパク質でできています。筋線維に接合した神経線維から、筋肉を収縮させる信号が来ると太い線維(ミオシン線維)が細い線維(アクチン線維)を手繰り寄せて2つの線維がスライドします。その結果、筋原線維が全体的に短くなり筋肉が収縮するのです。筋肉が収縮する際には、エネルギー源となるATPが利用されます。

次回は、「筋繊維」と「心筋」について、詳しく紹介していきます。(監修:健康管理士一般指導員)


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