老眼は目のオートフォーカス機能の低下が原因に

「目は口程に物を言う」といわれるように、私たちは目を通して心や体のさまざまな変化を読み取っています。そして、私たちが外から得る情報は視覚によるものが約80~90%と多く、聴覚や嗅覚、味覚、触覚をあわせてもわずか10~20%程度にすぎません。このように、視覚による情報が圧倒的に多いことからも、いかに目が大切な器官であるかがわかります。しかし、歳を重ねるごとに、誰もが目が見えづらくなる可能性を持っています。それが、老眼です。

では、なぜ加齢によって老眼になるのでしょうか。まずは、目で物を見るメカニズムについてみてみましょう。目は光の情報を集める器官です。「瞳孔」という窓が明るいところでは小さく開き、暗いところでは大きく開いて光が入る量を調節しています。そして、瞳孔から入った光は、角膜と水晶体の2枚の透明なレンズを通過します。この時、角膜と水晶体で2回屈折することによって一番奥にある網膜に像が映し出されます。網膜の中央部にある黄斑が視覚の中心を担っていますが、網膜は眼球の奥全体に広がっているため、上下左右の広い範囲を見ることができます。

そして、物を見るときにピントを合わせているのが毛様体です。近くを見るときは毛様体が緊張して毛様体小帯の筋肉が緩んで水晶体を厚くし、遠くを見るときは毛様体が緩んで毛様体小帯の筋肉が緊張して水晶体を薄くすることによって、光の屈折率を調節してピントを合わせます。さらに、虹彩によって光の量を加減しています。このようなメカニズムによって、どんな距離のものを見てもくっきり映し出すことができるのです。

目の仕組みをカメラに例えるならば、カメラのボディは強膜で、シャッターはまぶた、フィルターは角膜、レンズは水晶体、しぼりは虹彩です。フィルムは網膜にあたりますが、網膜に像が焼き付けられることはなく、常に変化しています。

このメカニズムを踏まえたうえで、年齢とともに視力が低下する理由として、加齢によって水晶体が硬くなってしまい、毛様体が水晶体の厚みを変えられなくなることが挙げられます。そして、目のオートフォーカス(自動焦点)機能が低下することによって、スムーズにピントが合わせられず、近くのものが見えにくくなる状態が「老眼」となります。

目の神経と体の神経は密接に関係していて、目の神経が疲労すると目や頭の周りにある筋肉や首筋の筋肉が緊張して血行が悪くなります。そのため、老眼になっても、「無理をすれば何とか見える」と我慢していると、頭痛や肩こり、吐き気などの症状が現れることもあるので、老眼鏡で矯正するなど早めに対処することをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)


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