脳の活性化につながる物質「BDNF」とは?有酸素運動で分泌を促進させよう

私たちは誰しも、加齢にともなう脳の老化は避けられません。しかし、脳に刺激を与え、活性化させることで、老化の進行を遅くし、認知機能の低下を防ぐことは可能です。特に、運動を習慣的に行うことで、脳を活性化させることができるといわれています。そして、これに深く関わっているのが「BDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor)」という物資とのこと。

BDNFとは、脳由来神経栄養因子とも呼ばれ、細胞の生命維持や成長にかかわるタンパク質の総称です。加齢によって低下する神経細胞の保護機能やシナプスの生まれ変わりを助ける働きをしていることから、脳の活性化に関わる最も重要な物質ともいわれています。このBDNFは、運動の中でも特に有酸素運動をすることで分泌が促進されることがわかっているそうです。

その理由は、有酸素運動により筋肉から「イリシン」というホルモンの分泌が高まり、イリシンが脳に運ばれるとBDNFの分泌を促すためと考えられています。BDNFは、主に大脳皮質と海馬に多く含まれていることから、特にこれらの部位が活性化されます。実際に、有酸素運動を行うことで、大脳皮質や海馬の脳萎縮が改善されただけでなく、容積が増えたという報告もあるとのこと。有酸素運動の強度は、高齢者では、ウォーキングなど軽い強度の運動が良いとされ、比較的若い年代の場合は、ハイキングや水泳など中等度の運動が効果的とされています。

また、有酸素運動だけでなく、無酸素運動(スクワットなどの筋力トレーニング)も脳の活性化につながるとのこと。筋力トレーニングは、海馬も活性化させるといわれていますが、特に、60代以降で衰えやすいとされている、計画を立てて行動したり、衝動的な感情を抑えたりする前頭葉の機能を活性化させるといわれています。これは、筋力トレーニングによって神経伝達物質であるドーパミンがつくられ、そのドーパミンが前頭葉を刺激するためといわれています。運動の強度に関しては、スクワットやダンベル体操などの強すぎない強度でも効果がみられた報告があることから、自分の筋力に合わせた無理のない強度のトレーニングを選ぶようにしましょう。

脳の活性化には、BDNFの分泌が活発になる有酸素運動の方が適しているといわれていますが、無酸素運動も脳を活性化させるため、組み合わせて行うようにしましょう。運動習慣を身につけることで、脳の老化を促進させるストレスの緩和や生活習慣病の予防にもつながります。脳の老化は20歳頃から始まるため、若い頃から運動習慣を身につけておくことをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)


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