活性酸素はどうやって発生する? 他の原子・分子から電子を奪って生まれる4つの化合物

私たちは、呼吸をして、空気中から酸素を取り入れています。そして、酸素を利用して、食べ物を分解し、それを生存のエネルギーとしています。つまり、食事によって得たブドウ糖やタンパク質などを、酵素の力を利用しながら酸素で酸化反応させ、最終的に二酸化炭素と水にまで分解して、エネルギーに変えているのです。この時、吸い込んだ酸素の約2%が、体に有害な活性酸素に変わるといわれています。では、活性酸素はどのようにして発生するのでしょうか?

活性酸素について考えるとき、まず原子や分子について知る必要があります。すべてのものは原子と、原子の集まった分子からできています。酸素(O2)の場合は、酸素原子(O)が2個結びついて1個の酸素分子を形成しています。この酸素原子は、その中心に1個の核(原子核)があり、その周囲を8個の電子が回っています。その8個の電子のうち、6個はそれぞれペアになっています。しかし、残りの2個の電子はそれぞれペアがいません。

酸素(O2)は、酸素原子(O)の中でペアになれなかった電子が、もう片方の酸素原子にいるペアになれなかった電子と手をつないでいる状態です。しかし、それぞれの酸素原子の中には、ペアになれなかった電子がもう1つずつ存在します。この状態は非常に不安定なため、他の原子や分子から電子を1つ奪い取って安定した状態になろうとするのです。

このような他の原子や分子から電子を奪う行為を「酸化する」と呼んでいます。一方、酸素分子に電子を奪われた側からすると「酸化された」ことになります。酸化された分子は、今度は自分がペアの電子をなくしてしまったため、他の分子から電子を奪おうとします。こうして次々と反応が起き、酸化が進むとされています。

そして、酸素分子が、他の原子や分子から電子を奪った結果、生まれるのが「スーパーオキシドラジカル」「過酸化水素」「ヒドロキシラジカル(ハイドロキシラジカル)」「一重項酸素」という4つの化合物で、これらを総合して「活性酸素」と呼んでいます。それぞれの特長をみてみましょう。

「スーパーオキシドラジカル」は、細胞内でミトコンドリアが酸素からエネルギーを作るときにできる活性酸素で、最も頻繁に発生します。また、白血球などの免疫をつかさどる細胞が、体内に侵入してきた細菌などと戦うときにも大量に発生します。細胞を傷つける力はそれほど強くありませんが、別の強力な活性酸素になることがあるそうです。

「過酸化水素」は、消毒液のオキシドールとして使われることで知られる活性酸素です。反応力は強くありませんが、危険な活性酸素であるヒドロキシラジカルになりやすいとされています。

「ヒドロキシラジカル」は、強力な酸化力を持つ最も危険な活性酸素です。私たちの体の中で手当たり次第に酸化反応を起こし、遺伝子や細胞膜を傷つけ、さまざまな害をもたらすといわれています。

「一重項酸素」は、放射線や紫外線に当たると体内で大量に発生する活性酸素で、皮膚や目に害を与えます。また、皮膚を形成しているタンパク質や脂肪を酸化、変質させ、シミやシワの原因になるとされています。

なお、本日掲載を予定しておりました、『ハワイの伝統舞踊「フラ」と健康の関係とは? 中編』は、ハワイ州マウイ島における大規模山火事の発生を受け掲載を延期させていただきます。(監修:健康管理士一般指導員)


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