タンパク質は腎機能に負担をかける? 健康な人でもタンパク質の摂り過ぎには要注意

腎臓は、「尿を作り出す」という代表的な機能の他にも生命を維持するための多くの役割を担っています。しかし、腎機能の低下は自覚症状が現れにくく、さらに一度機能が低下してしまうと元に戻ることがありません。そのため、放置していると、命の危険にかかわる恐ろしい病気にもつながってしまいます。腎臓病は、塩分の摂り過ぎや、糖尿病、感染症などが原因となることが多いといわれていますが、タンパク質の摂り過ぎも腎機能に負担をかけるとされています。

実際に、腎臓病の食事療法では、タンパク質制限が行われます。これは、タンパク質が代謝される際に、尿素窒素などの老廃物が発生することがかかわっているとのこと。腎機能が低下していると、この老廃物を排泄しにくくなるため、タンパク質の摂取を制限する必要があるのです。さらに、タンパク質は糖質や脂質のように体内に蓄えておく仕組みがないため、過剰分は尿として排泄されます。必要以上のタンパク質を摂取してしまうと、腎機能にさらに負担をかけるため、腎臓病の人はタンパク質制限が必須とされています。

タンパク質は、体を作る主成分であり、またホルモンや酵素、抗体の原料にもなるなど体内で欠かせない働きを持っています。さらに筋肉の原料にもなるため、近年、筋トレの流行などによってタンパク質を意識して摂取する人も増加しています。腎機能に問題がない場合は、もちろん不足しないように取り入れる必要がありますが、運動量や体重などに比例しない過剰なタンパク質摂取が続くと、腎臓の負担となってしまうので注意が必要です。18~64歳男性の1日のタンパク質推奨量は65g、18歳以上の女性は50gとされているので摂取の目安にしてください。

また、タンパク質摂取による腎臓への負担を最小限にするためには、良質なタンパク質を摂取することも大切です。良質なタンパク質は体内での利用効率が良く、代謝される際の老廃物も少ないため、腎臓の負担を抑えることができます。良質なタンパク質とは、必須アミノ酸の含有バランスが良いもののことで、このバランスは「アミノ酸スコア」という数値で表されます。アミノ酸スコアが100に近いほど必須アミノ酸のバランスが良い良質なタンパク質です。肉や魚、卵などはアミノ酸スコアが100を満たすものが多いため、アミノ酸スコアが低い精白米や、小麦を使用した食品を食べる際には、組み合わせて食べることでバランスを整えることができます。

健康な人の場合は、タンパク質を不足なく摂取する必要がありますが、あまりにも過剰な摂取は腎臓の負担になります。運動量や自分の体重に合った量を摂取することが腎臓の機能を守り維持させていくことにつながるので、適量の摂取を心がけてください。(監修:健康管理士一般指導員)


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