体内を守る「免疫細胞」に備わる5つの力とは? 結束力・記憶力・生命力・検出力・抵抗力

異物や病原菌は、体内のいたるところから侵入してきます。そのため、免疫細胞は血液やリンパ液の流れに乗って全身をくまなく循環し、病原菌や異物などが侵入したときには即座に駆けつけ、対処します。今回は、侵入者から体内を守る免疫細胞が持っている5つの力をご紹介します。

まず1つ目が「結束力」です。異なる種類の様々な細胞がチームを作り、連携して戦うためには細胞同士をつなぐものが必要になります。その役割を担うのが「サイトカイン(免疫ホルモン)」です。サイトカインは、免疫の反応などによって白血球自身が放出する化学物質で、多くの種類があります。分泌されたサイトカインは、その標的の細胞に働きかけて様々な生理的効果を及ぼします。つまり、サイトカインの放出量が免疫力の強さに深く関係しています。

2つ目が「記憶力」です。免疫細胞は、敵を記憶することができます。インフルエンザやはしかなど感染力の強い病気の予防には、ワクチン接種が欠かせません。ワクチンは、免疫系に記憶を植え付けるための薬です。つまり、体内に入り込んだ病原菌を記憶して、二度目の侵入時に素早く反応し、排除する力をつけているのです。

3つ目が「生命力」です。免疫細胞は、すべて骨髄で生まれています。骨髄では、血液成分のもととなる造血幹細胞というものを毎日作り、血管に送っています。造血幹細胞は、成長するにしたがって、赤血球や白血球に分化していきます。血管に送られた白血球は、生まれたときには敵を認識する能力を持っていません。「胸腺」という場所を通り、そこで教育を受けることで、初めて異物と正常な細胞を区別する能力を身につけます。そして、胸腺で成長した細胞は、T細胞となり、免疫系の主役を担うことになります。

4つ目が「検出力」です。免疫細胞は、自分の細胞以外は、すべて異物と認識し、攻撃するという検出力を持っています。しかし、その働きに異常が起きると、敵ではないものまで攻撃してしまうようになります。例えば、ホコリやカビの多い環境に居続けると、免疫細胞が刺激され続けてしまうため、過剰反応が引き起こされます。その結果、微量のホコリに対しても、白血球のチーム総出で反応し、過剰な攻撃をしたり、神経系に異常を起こしたりしてしまいます。

5つ目が「抵抗力」です。私たちの体内に侵入してくる病原菌は、ごく小さなもので、息をしているだけでも体内に侵入してきます。しかし、通常であれば、それらは免疫細胞が撃退してくれています。つまり、免疫細胞は、あらゆる病気を未然に防ぐ力を持っているのです。一方で、免疫細胞がパワーダウンしていると、風邪などのウイルス性疾患にかかりやすくなります。免疫細胞の力を維持するためにも、まずは手洗いやうがい、マスクの着用などで病原菌や異物を体内に侵入させないことが大切です。(監修:健康管理士一般指導員)


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