- 健康管理!教えて!!2025/09/26 22:57
消化を効率よく進ませるための条件とは? 食欲がわくと消化液の分泌も活性化

食物の成分が消化酵素によって分解され、吸収できるものへと変化させていくことを消化といい、食物はさまざまな感覚器官と運動器官の協調によって体内に送られます。この消化の働きを効率よく消化を進ませるためには、おいしく、楽しく、よく噛みながら、味わって食べることが大切です。消化には食欲が大きく関わっており、食欲がわくと体内の消化液の分泌につながります。
食欲は食物の見た目や香り、食事をする雰囲気、また料理をする音などによって影響を受けます。味、色、香りなどの情報が統合されておいしいと判断されると視床下部にある摂食中枢が刺激され、食欲がわきます。一方、まずい・食べたくないと判断されると満腹中枢が刺激されて、食欲が起こらなくなります。食欲がわかない状態で食べると、体内では消化の準備ができていないため、うまく分解されません。
また、リラックスした状態でよく味わいながら食事をすると副交感神経が優位になり、消化酵素の多く含まれる漿液性の唾液が多く分泌されます。しかし、緊張した状態で食事をすると交感神経が優位になり、粘液性の唾液が少量しか分泌されなくなるため、食事が喉を通りにくくなります。
消化器に負担をかける原因の一つに、よく噛まずに短時間で食事をとることが挙げられます。満腹感はお腹でなく脳で感じます。血糖値が上がることによって、食物が十分に入ったという情報が摂食中枢に伝わり、食欲がコントロールされます。そのため、よく噛まずに食べると満腹感が起こらずにたくさんの量を食べてしまいます。よく噛んで食べると唾液が多く分泌され、でんぷんの分解が速まって血糖値も短時間で上昇し、食べ過ぎを防ぐことができます。
少量の食事量で満腹感を起こすためには、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。また、唾液が発がん性物質を消すまでには約30秒かかるといわれているため、30回は噛んで食べることをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)