ストレスによる自律神経の乱れが招く胃腸の病気とは

強いストレスを感じたことで、胃が痛くなったり、おなかの調子が悪くなったという人は多いのではないでしょうか。これは、主に精神的ストレッサーによって自律神経のバランスが乱れることで引き起こされる症状とされています。特に胃や腸などの消化器官は、粘膜でできており、ストレスの影響を受けやすい臓器とのこと。症状が悪化すると、胃腸の病気を発症してしまう恐れもあるそうです。

ストレスからくる代表的な胃腸の病気としては、「胃・十二指腸潰瘍」「過敏性腸症候群」「神経性嘔吐症」が挙げられます。「胃・十二指腸潰瘍」は、胃や十二指腸の粘膜がただれたり、えぐれたりしている状態をいいます。ストレスを受けると交感神経が強く働き、血管を収縮させるため、胃の粘膜の血流が悪くなります。これにより、胃の粘膜が弱くなり、胃の粘膜を守っている胃粘液の分泌も減ります。その後、交感神経の働きを抑制するために副交感神経が強まると、胃酸の分泌が増加し、弱った胃の粘膜が損傷したり、潰瘍ができてしまったりするのです。特に、ピロリ菌に感染していると、胃潰瘍の発症リスクが高まるといわれています。

「過敏性腸症候群」は、不安や緊張などの精神的ストレッサーが原因で下痢や便秘を繰り返し、腹痛を引き起こす症状が出ますが、病院へ行っても特に異常は認められない、やっかいな病気です。先進国の20~40代の若い年齢層で多く発症しており、症状により便秘型、下痢型、混合型の3つのタイプに分けられます。

便秘型は、ストレスを受けて交感神経が強く働くことで、大腸のぜん動運動が鈍くなり、便が大腸内に長時間とどまることで水分が必要以上に吸収され引き起こされます。下痢型は、ストレスを受けて交感神経が強く働き、交感神経の働きを抑えようと副交感神経が一気に働くことで生じます。大腸のぜん動運動が活発になりすぎてしまい、便の大腸内にとどまる時間が短くなるため下痢になります。混合型は、便秘型と下痢型の症状を繰り返すそうです。

「神経性嘔吐症」は、検査をしても異常がないのに頻繁に嘔吐や吐き気が起こる症状です。特徴は、嘔吐した後にすっきりとして、下痢や腹痛などをともなわないことです。ストレスによって交感神経が脳の延髄にある嘔吐中枢という部分に伝わり、嘔吐を引き起こしていると考えられています。特に、子どもに多く症状が現れます。この症状は、胃腸に問題があるわけではありませんが、嘔吐が続くことで、胃や食道が荒れて、逆流性食道炎になる恐れがあるので注意してください。(監修:健康管理士一般指導員)


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