家庭で血圧を測定する重要性とは? 「白衣高血圧」と「仮面高血圧」を知ろう

血圧は、健康な人でも一日のうちで常に変動しています。正常な血圧の人では、起床の前後に血圧は徐々に上がり始め、活動量が多い日中に高い状態が続きます。また、活動量が減る夕方から夜にかけて血圧は徐々に下がっていき、睡眠中に最も低くなります。こうした24時間を一区切りにした血圧の変動を血圧日内変動といいます。そして、血圧日内変動を把握するために重要となるのが家庭での血圧測定です。

医療機関に行かなくても、家庭用血圧計を使用することで、決まった時間に定期的に血圧を測定することができます。家庭では安定した状態で血圧測定ができるので、医療機関での血圧測定よりも血圧の値は下がる傾向があります。そのため、家庭血圧(家庭で測る血圧)の高血圧基準値は、135/85mmHg以上となり、診察室血圧(医療機関で測定した血圧)よりも5mgHg低く設定されています。

白衣を着た医師や看護師による医療機関での測定は常に高血圧で、家庭で測定すると常に正常の値を示す状態を「白衣高血圧」といいます。白衣高血圧は、緊張や不安といったストレスに対する反応によって、一時的に血圧が上昇して高血圧になるとされています。白衣高血圧の有害性・無害性については研究途上であり、家庭血圧が常に正常であれば、当面は治療の対象にはならないとのこと。しかし、白衣高血圧の人はストレスを受けやすいため、いずれ高血圧を発症しやすいといわれています。よって、家庭でも血圧を測定していくことで、血圧の変動に注意することが大切です。

また、1日の血圧変動がわかる検査に24時間血圧測定(自由行動下血圧)検査があります。上腕にカフ(血圧測定をする際に使用する腕帯)を巻いて行う検査で、腰にベルトで固定した記録計から24時間の血圧の変動を自動的に測ることができます。24時間血圧測定の高血圧基準値は、130/80mmHg以上となっています。

この測定は、医師の指導によって行われます。1日の血圧の変動がわかるため、診察室血圧は正常でも早朝時や夜間など日常生活において血圧が高い「仮面高血圧」の発見につながるそうです。なぜ、「仮面」といわれるかは、家庭血圧では高血圧なのに、診察室血圧では正常の値を示すため、まるで仮面をかぶっている高血圧であること隠しているようにみえるからです。

仮面高血圧には、朝目覚めるときに血圧が急激に上昇する「早朝高血圧」や、夜眠っている間に血圧が下がらない「夜間高血圧」があります。これらは、病院では発見されにくいのですが、心血管病(心臓病や脳卒中など)を起こすリスクが高血圧の人と同じくらい高いので、治療の対象になります。このように医療機関の測定だけでは、高血圧の診断ができない場合もあるため、家庭での血圧測定を習慣づけることをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)


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