心臓には電気が流れている? 規則正しい拍動のリズムを自動でコントロール

心臓は、胎児期の初期に発動をはじめてから死を迎えるまで、一時も休まずに拍動を続けています。そして、体内のさまざまな刺激に応じて、リズムよく、しかも自動的に拍動します。しかし、自分の意志でペースを速めたり止めたりすることはできません。では、この心臓のリズムはどのようにコントロールされているのでしょうか。

心臓の拍動、つまり心筋の収縮と拡張は、心臓の各部分に張り巡らされている電気の通り道に沿って電気信号が流れることで発生しています。この経路を「刺激伝導系」といい、特殊な心筋繊維が担っています。電気信号は、右心房の上部にある「洞房結節」と呼ばれる部分が開始点となり、続けて「房室結節」「ヒス束」「右脚・左脚」「プルキンエ線維」の順に伝わっていくことで、心房の収縮→心室の収縮が引き起こされます。

これら刺激伝導系の特殊な心筋繊維は、ほかの心筋繊維とは異なり、外部からの刺激がなくても自動的に一定の間隔で拍動を繰り返すことができるのです。特に、洞房結節は、状況に応じて1分間当たり50~150回の電気刺激を生み出す発生源となっているため、「心拍動のペースメーカー」といわれています。

成人の場合、安静時の心拍数(回/分)は、60~80回/分程度が標準とされています。仮に1分間に70回拍動すると考えると、1日に換算した場合、70×60(分)×24(時間)で、なんと約10万回にもなります。1年間では約3650万回に達します。そして、これまで生きてきた年数分を乗じた回数を、一時も休まず規則正しいリズムで心臓は拍動を続けているのです。大人の身体に成長するまでの間は安静時の心拍数が多いのが普通で、安静時ではなく活動するときには心拍数が増えることを考慮すると、例えば50歳の人であれば、少なく見積もってもすでに20億回くらいは拍動し続けていると考えられます。

ちなみに、心臓がドキドキするペースが速くなったり遅くなったりするのは、自律神経の影響を受けているからです。心臓の拍動は刺激伝導系の仕組みによって自動的に動くようになっていますが、それ以上に自律神経の強い支配を受けているため、その時々の状況に応じて心拍数に変化が起こります。心臓には、交感神経も副交感神経も広く分布していますが、特に洞房結節の周りには多くの神経末端があり、心拍動のペースメーカーに影響を与えています。運動したり緊張しているときには、交感神経が優位になって心拍の頻度を増やし、逆にリラックスしているときには興奮が収まり、副交感神経が優位になって、ゆっくりしたペースになるそうです。(監修:健康管理士一般指導員)


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