美味しさを感じる決め手になる「におい」の正体を探る

私たちは、味覚だけで食べ物の美味しさを感じていると思っている人が多いと思いますが、実は美味しさを決定づけているのは「におい」ともいえるとのこと。例えば、鼻が詰まっていると、におい物質が嗅上皮まで届かなくなり、においが認識できなくなって、美味しい料理も無機質なものに感じてしまいます。これは、人間の持つ特殊な喉の構造が関係しているそうです。

人間の喉は、鼻から肺への気道と、口から食道への道が喉で交差しており、言語の獲得と共に他の霊長類よりも声帯の位置が下がっています。そのため、食べ物を飲み込むと同時に息を吸えないという特徴を持ちます。喉から鼻に抜ける香りで感じる食べ物の美味しさは、人間が嗅覚から受けている一番の恩恵だといえます。

では、そもそも私たちが感じている「におい」とは何なのでしょうか。においは、物体や生物から周囲に発散され、嗅覚器を通じて知覚される微量分子による特別な刺激とされています。その中で、私たちに快い感覚を与える場合には香り、芳香、香気と呼び、不快感を与える場合には臭さ、臭気、悪臭などと呼んで区別しています。

物体のにおいは、物体が表面から分子を揮発させていることによって感じるそうです。分子は小さいほど揮発しやすくなるため、大きすぎる分子はにおいを発していません。つまり、におい物質は分子量が小さく、揮発した気体である必要があるとのこと。そして、呼吸によって空気と一緒に小さな分子だけが鼻腔に入り、鼻粘膜を刺激します。

さらに、におい物質になるためには、鼻粘膜に達した後、鼻腔上部に位置する嗅上皮表面の粘膜に溶け込むために水溶性の性質であることが必要です。これに加えて、嗅細胞膜の脂質でできた膜を通過するために、脂溶性の性質も備えている必要があるとのこと。

こうした条件を満たした微量分子がにおいの正体であり、におい物質が嗅上皮に感知されると、嗅上皮にある嗅細胞がにおいの情報を電気信号に変えます。そして、この電気信号が嗅神経を通って脳へ伝わることで、私たちはにおいを感じることができるのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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