脳の神経細胞はどうやって情報を伝えている? 電気信号を神経伝達物質に変換

私たちの脳は、脳特有の細胞を細かく張りめぐらせて、精神や生命の活動を維持しています。脳が体の内外の情報を送信、受信、処理、蓄積するネットワークを神経系といい、その基本単位が神経細胞(ニューロン)です。神経細胞は、細胞体とそこから出ている軸索と樹状突起によって成り立っています。コンピュータでいうマイクロチップ(集積回路)に相当し、神経細胞同士が結びついて情報が伝達されたり、記憶として蓄えられています。

五感を通して光や音、衝撃などの刺激を受け取ると、目や耳、皮膚などそれぞれの感覚器の受容体が興奮して弱い電気信号を発します。その信号を受け取った脳の神経細胞は、軸索から樹状突起を介して次の神経細胞に情報を送ろうとします。しかし、送り手と受け取り手の2つの神経細胞の間には、20~30nm(ナノメートル:10万分の1mm)のすき間(シナプス間隙)があり、直接連絡が取れないそうです。では、どのように情報を伝えているのでしょうか。

まず、送り手は電気信号を樹状突起の先端にあるシナプスという情報処理装置でグルタミン酸やノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質に変換します。これらの神経伝達物質はシナプス小胞という小さな袋から分泌されてシナプス間隙に拡散されます。すると、受け取り手の神経細胞は、シナプスで神経伝達物質を受け取り、再び電気信号に置き換えます。そして、送り手の神経細胞と同じ手順で次の神経細胞へと情報を伝えていきます。

このように、電気信号をスムーズに手渡すためには、電気信号に応じた神経伝達物質に変換する必要があり、さまざまな情報が電気信号⇒神経伝達物質⇒電気信号と形を変えながら駆け巡っているのです。この神経細胞同士のつながりを神経ネットワーク(神経回路)といい、脳を構成する個々の神経細胞は単独で働くのではなく、多くの神経細胞がお互いに連絡を取り合って情報を伝達しています。

また、脳の働きを左右するのは神経細胞の数ではなく神経ネットワークの機能といわれています。この機能は可塑的(外界の刺激や環境に影響を受けて柔軟に変化する)であるため、神経細胞の一部が損傷あるいは死滅しても、学習や経験を積むことによって補修や拡大をして、新しいネットワークを形成することができます。そのため、神経細胞同士がしっかりとつながって効率よく情報を伝えていれば、私たちの脳はいくつになってもより高性能なものへと進化していくことができるそうです。(監修:健康管理士一般指導員)


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