全身を巡る血液のパイプライン「血管」の仕組みを知ろう

私たちの生命は、全身を流れる血液によって支えられています。血液は、赤血球、白血球、血小板などの有形性分(45%)と血漿という液体成分(55%)とに分かれていて、休むことなく体内を循環しています。そして、この循環を滞らせないパイプラインの役割を担っているのが血管です。血管を流れる血液は必ず一方通行で、行き止まりも逆走もありません。心臓を起点として、「行き」の血液が通る血管が動脈、「帰り」の血液が通る血管が静脈です。

心臓から出た動脈は、太い血管から枝分かれするように細くなり、最終的には毛細血管となって体の隅々まで張りめぐらされています。そして、その毛細血管が集まって太い血管となり、心臓へ戻ります。これらの全身の血管を1本につなげると約9万kmとなり、地球を2周半できる距離になるといわれています。血液は、この血管を約50秒で1周することができるのだとか。

では、血管についてもう少し詳しく見てみましょう。動脈と静脈は、外膜、中膜、内膜の3つの層から成り立っており、血液と直接触れる内膜には、内皮細胞という細胞の層があります。動脈は、心臓から強い力で押し出される血液を受け止めるため、外膜は薄くて硬くなっています。中膜は弾力を担うために厚く、内膜は薄い構造になっています。特に、心臓から直接伸びている大動脈が最も太く、その直径は約3cmあるそうです。

静脈も3層構造ですが、動脈に比べて弾力性や伸縮性はあまりなく、薄くてしなやかになっています。それは、心臓よりも上にある静脈を流れる血液は重力に従って上から下に流れていき、心臓よりも下にある静脈を流れる血液は手足の筋肉の収縮によって押し流されて心臓に戻るため、動脈よりもかかる圧力が低いからです。また、動脈が丸い断面をしているのに対して、静脈は真ん中がつぶれたような形をしており、血液が逆流しないように一方方向にのみ開く静脈弁がついているのも特徴です。

動脈と静脈の境にあるのが毛細血管で、動脈と静脈が3層構造になっているのに対し、1層の内皮細胞のみで成り立っています。それは、血管内の血液と組織細胞との間で酸素や栄養素、二酸化炭素、老廃物などの受け渡しをする役割を担っているためです。その太さは、直径8~20μm(マイクロメートル:約0.001mm)と非常に細いのですが、血液の重要な働きはすべてこの毛細血管内で行われているといってもよいでしょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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