「メラトニン」を活性化させるポイントは? 光環境を整えてセロトニンの分泌を促す生活習慣を

質の高い眠りをもたらすホルモンである「メラトニン」は、脳の松果体という場所で生産され、体内時計をコントロールする脳の視交叉上核の細胞にある受容体に作用し眠気をもたらします。これに加えて、メラトニンは高い抗酸化作用を持っているといわれています。活性酸素の過剰発生は、細胞や遺伝子を傷つけ、老化や生活習慣病の原因となります。この活性酸素を除去する作用がメラトニンにはあるのです。また、体に備わっている活性酸素を除去する抗酸化酵素の働きを高めるサポーターとしての役割も持っています。

さらに、メラトニンの働きによって、胸腺が刺激され免疫細胞であるT細胞の産生を促します。T細胞はウイルスや細菌を除去する以外に、体内で発生した腫瘍を撃退する免疫チームの主要メンバーであり、がんの予防や増殖抑制に関与していると考えられています。

しかし、メラトニンの分泌は加齢と共に低下していき、分泌がピークの10代に比べ50~60代では1/10程度にまで減少してしまいます。そのため、夜の寝付きが悪くなってしまったり、細胞老化が進みやすくなる他、免疫力の低下が起こってしまうのです。では、メラトニンを活性化させるにはどうしたらよいのでしょうか。

メラトニンの特徴は、光に非常に敏感なことです。メラトニンの分泌を促すためには、毎日規則正しく太陽の光を浴びることが大切です。朝、太陽の光を浴びると脳の視交叉上核にある体内時計がリセットされます。それから14~16時間後にメラトニンの分泌が始まり、メラトニンの働きにより体の深部体温が下がり、深部体温の低下とともに自然と眠くなっていきます。

その一方で、メラトニンは太陽の光だけではなく人工的な光にも敏感に反応してしまいます。強い光を夕方から夜にかけて浴びてしまうと体内時計が乱れ、メラトニンの産生は抑制されてしまいます。これによって、メラトニンの深部体温を下げる働きが低下し、寝付きが悪くなり、睡眠の質の低下や生活習慣病などを引き起こすことにつながります。スマートフォンやパソコンなどから発せられる強い光「ブルーライト」をカットするよう画面を暖色系の光に変えたり、ブルーライトカット眼鏡をかける、あるいは端末の画面自体にブルーライトをカットできるシートを貼り付けるなど工夫してみましょう。部屋の明かりも夜は暖色系の光に調節するとよいそうです。

また、メラトニンを産生する上で必要不可欠なのが脳内で産生される「セロトニン」です。セロトニンは、脳の神経細胞間で作用する神経伝達物質で、朝、太陽の光を浴びて体内時計がリセットされると分泌され始め、それが睡眠を促すメラトニンの材料となります。セロトニンを増やす方法としては、ウォーキングやダンスなどのリズム運動をする、好きなものを良く噛んで食べる、ゆっくりとした腹式呼吸をする、セロトニンの材料となるアミノ酸(トリプトファン)を摂取するなどがあります。

加齢にともない起こるメラトニンの分泌低下を悪化させないためにも、普段から光環境を整えるとともに、セロトニンの分泌を促す生活習慣を心がけましょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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