筋肉はどうやって動いている? 後編~「筋繊維」「心筋」「平滑筋」が担う役割

前回のコラムでは、自分の意志で動かせる筋肉である「骨格筋」の仕組みについて紹介しました。今回は、骨格筋に欠かせない筋繊維の働きと、自分の意志では動かせない「心筋」、さらには内臓や血管の運動に関わる「平滑筋」についてみていきます。

骨格筋を動かすために重要な役割を担っている筋線維には、持久力に優れた「遅筋線維(赤筋)」と瞬発力に優れた「速筋線維(白筋)」の2つのタイプがあります。遅筋線維は、血液中のヘモグロビンから酸素を受け取って筋組織に運ぶ働きを持つミオグロビンや、エネルギーをつくり出すミトコンドリアが多く存在し、酸素を利用して血液中のブドウ糖や遊離脂肪酸から効率よくエネルギーをつくり出すことができるとのこと。瞬時に大きな力を発揮することはできませんが、持久力に優れているという特徴があります。また、遅筋線維を構成するミオグロビンは赤い色素タンパク質(グロビン)を多く含むことから「赤筋」とも呼ばれています。

一方、速筋線維は、筋肉に蓄えられたグリコーゲンをエネルギー源として、瞬時に大きな力を発揮することができます。短時間でエネルギーが切れてしまうため、長時間の運動には適さないという特徴があるそうです。また、速筋線維はミオグロビンを含む量が少なく白っぽく見えるため「白筋」とも呼ばれています。

「心筋」は、心臓にしか存在しない筋肉で、骨格筋同様、組織上は縞模様のある「横紋筋」に分類されますが、自律神経によってコントロールされているため、自分の意思とは関係なく常にリズミカルに収縮・弛緩を繰り返す不随意筋です。休むことなく動き続けるため、全身の筋肉の中で最も丈夫な筋肉とされています。特に、心筋の中でも全身に血液を送り出している左心室周囲の心筋は、大きな力を必要とするため厚くなっています。また、エネルギー産生を担うミトコンドリアの数も、骨格筋に比べてはるかに多いという特徴を持っています。

ここまで、「横紋筋」に含まれる筋肉を紹介してきましたが、もう一つの分類である「平滑筋」についてもみてみましょう。「平滑筋」は、胃や食道、腸、血管などの壁をつくる、また膀胱や子宮などの袋状の内臓の壁をつくっている筋肉であり、内臓や血管の運動に携わっています。骨格筋よりも疲れにくく、ゆっくりとした持続的な収縮を行うのが特徴です。自律神経やホルモンによってコントロールされており、自分の意思では動かすことのできない不随意筋です。

平滑筋線維は、紡錘形(円柱状で真ん中が太く、両端が細くなる形)で真ん中に核がある単核細胞となっています。細胞の内部にアクチンとミオシンがありますが、横紋筋のように規則正しく並んでいないので2つの線維がスライドすることがなく、自発性に活動電位を発生し(ペースメーカー細胞をもっている)収縮しているそうです。このように、さまざまな種類の筋肉が、役割に応じて体を動かすために働いているのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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