ハワイの伝統舞踊「フラ」と健康の関係とは? 中編~フラによるリラックス効果の秘密

8月9日に掲載したコラム前編では、フラによって下半身や体幹の筋肉が強化されることを紹介しました。今回は、フラを踊ることで大きな心理的変化が起こり、リラックス効果が得られる秘密について解き明かします。

フラの心理的効果に関する研究結果によると、フラのレッスンを1時間ほど行った後には、緊張や抑うつ、怒り、疲労、混乱などの感情が抑制され、活力が上昇していたことがわかったそうです。このように、フラがリラックスにつながる要因の1つとして、ハワイのゆったりとした音楽によって、脳の周波数の変化が起こることが挙げられます。

脳の大脳皮質は、約140億もの神経細胞でつくられたコンピュータのようなものです。その神経細胞からは、常にごくわずかな電気が発生し、その強さは波打つように変わっていきます。これを脳波といいます。脳波の周波数は4つに分けられ、周波数の少ないものからδ(デルタ)波(0.5~4Hz未満)、Θ(シータ)波(4~8Hz未満)、α(アルファ)波(8~13Hz)、β(ベータ)波(13Hz超)となります。α波をリラックスしている状態の基本的なリズムとし、それより周波数の少ないδ波やΘ波は「徐波」、周波数の多いβ波は「速波」と呼ばれています。

人は音楽を聴くと、その音楽の周波数に合わせて脳波が変化していきます。緊張でβ波の脳波が続いている時には、Θ波やα波に近い周波数のゆっくりとしたハワイの音楽を聴くことで、脳波がα波へと近づき、リラックスすることができるとされています。また、音楽は、脳波以外に自律神経にも働きかけることができます。ハワイのゆったりとした音楽を聴くことで、青い海や豊かな自然、美しい花々が思い出され副交感神経が優位になり、心身がリラックスできるそうです。

フラを行うことでリラックスするもう1つの要因としては、神経伝達物質の影響も挙げられます。心の状態は、脳のネットワークにおいて放出される神経伝達物質の種類と量によって決まるとされています。その中でも、フラとの関係が深い神経伝達物質が「β-エンドルフィン」「セロトニン」とのこと。

β-エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、多幸感をもたらし、痛みを和らげるモルヒネに似た効果のある神経伝達物質です。ゆったりとした音楽を聴いたり、おいしいものを食べたりした後に分泌が高まり、幸せな気持ちに包まれます。そして、笑うことによってもβ-エンドルフィンの分泌が高まります。フラは、曲の意味を踊りや表情などで表しますが、楽しい出来事や愛情などを伝える曲が多く笑顔で踊るため、β-エンドルフィンの効果を受け、心地よくなるそうです。

セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる働きを持っています。セロトニンの分泌を高めるためには、フラなどのリズミカルな運動を行うことがよいとされており、うつ病や不眠などの精神疾患にも効果的だと考えられています。

このように、ハワイの音楽に合わせてゆったりとフラを踊ることで、脳波や神経伝達物質に良い影響が起こり、リラックス効果を得ることができるのです。次回は、フラなどのダンスによる脳の活性化について紹介します。(監修:健康管理士一般指導員)

※8月に発生したハワイ マウイ島での大規模火災でお亡くなりになられた方に対しまして、心よりお悔やみ申しあげますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申しあげます。


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