自力で動けない肺が空気を出し入れできるのはなぜ? 肺を取り囲むカゴ状の組織「胸郭」に秘密が

私たちが呼吸をするために、肺の働きは欠かせません。肺は空気の出し入れをするために、自ら伸びたり、縮んだりしているように思われがちですが、実際ではそうではないとのこと。心臓のように筋肉を持たない肺は、自力で動くことはできないのです。では、自分で動くことのできない肺は、どのようにして空気を出入りさせているのでしょうか。それは、肺を取り囲む組織に秘密があるのだとか。

肺は、胸郭という胸椎、胸骨、肋骨からできたカゴ状の組織に囲まれています。そのカゴを下から横隔膜がフタをすることで、肺と胸郭の間には胸腔と呼ばれる密封された空間ができます。胸郭にある外肋間筋と横隔膜の働きによって、胸腔の容積が変化することで肺は受動的に収縮・拡張する仕組みとなっているのです。

また、肺は自分の意志で収縮・拡張の速度をコントロールすることができるだけでなく、ほんの短い間であれば肺の動きを止め呼吸を停止することもできます。これは、心臓やほかの臓器にはない大きな特徴といえます。

ここで、肺への空気の出入り(換気)の仕組みについて、肺をゴム風船に例えて見てみましょう。まず、息を吸うときは横隔膜が収縮し、ドーム状の膜が下がることで胸腔が広がります。そうすることで、ゴム風船(肺)を外側に引っ張ろうとする力が働き、その圧力で空気が肺の中に入り込む仕組みとなってます。これが「吸気」の仕組みです。

反対に、「呼気」では、横隔膜が緩むことでドーム状の膜は上に上がり、また外肋間筋が弛緩することで胸腔が狭くなり、胸腔内圧は上昇します。すると、圧力によってゴム風船(肺)は押しつぶされ、空気も押し出されます。これが「呼気」の仕組みです。このように、胸腔内の圧力の変化によって、肺への空気の出入り・肺の収縮と拡張が行われているそうです。

ちなみに、私たち人間は、どれくらいの間、呼吸をしないでいられるでしょうか。まず、血液中にある酸素の量は最大でも1Lほどです。人間は安静時でも1分間に約300mlの酸素を必要とするため、一般的には約3分程度で限界になるとされています。(監修:健康管理士一般指導員)


ヘッドライン

HeadLineNews
【新着】今日のマイライフニュース

連載中コラム

健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!
マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー
健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!

マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー

カテゴリ