「腎活」のために摂りたい栄養素、抑えたい栄養素

最近、健康を維持・向上する目的でさまざまな「〇〇活」という言葉が流行しています。その中で、腎臓の機能を維持し、活力を高めていくことを「腎活」と呼ぶそうです。腎臓は「尿を作り出す」という代表的な機能のほかにも生命を維持するための多くの役割を担っています。今回は、腎臓に機能低下がみられていない人向けに、「腎活」としてどんな栄養素を摂るべきなのか、抑えるべきなのかを紹介したいと思います。なお、腎機能に問題があり、医療機関に通院中の人は主治医の先生に相談してください。

まず、積極的に摂りたい栄養は「カリウム」です。カリウムはナトリウムと作用しあっている栄養素で、カリウムは細胞内に、ナトリウムは細胞外に多く含まれています。塩分を過剰に摂取し細胞外のナトリウムの量が増えると、細胞内からカリウムや水分が移動し、血液の濃度を一定に保つように働きます。このときカリウムの量が足りないと、水分が多く細胞外に移動し血液量を増加させて腎臓に負担をかけるそうです。

そのため、食塩摂取量が多い傾向にある現代人は、意識的にカリウムを取り入れる必要があるとのこと。カリウムは、ほとんどのすべての食品に含まれていますが、特に生野菜や果物、イモ類、海藻類、キノコ類に多く含まれています。塩分量が多いものを食べるときは一緒にこれらの食品を摂るようにしましょう。カリウムは水に溶けやすい特徴を持つため、スープなど丸ごと食べることができる調理法がおすすめです。

一方、摂り過ぎに注意したいのが「リン」です。リンは、体内でカルシウムに次いで多く存在するミネラルです。このうち、約80~85%はカルシウムやマグネシウムと結合することで骨や歯を形成しています。残りは筋肉や脳、神経などのあらゆる組織でエネルギー代謝にかかわっていたり、細胞膜の構成成分となるなど、生命に欠かせない役割を果たしています。しかし、ミネラルの調節を行う腎機能に問題がある場合、リンはカリウムと同じく摂取が制限されることもあります。リンとカルシウムは血液中でバランスをとって存在しているため、リンが増えると骨を溶かしてカルシウムを分泌させることでバランスをとります。すると、骨がもろくなってしまい骨粗しょう症などのリスクが高まるそうです。

では健康な人の場合はどうでしょうか。リンは、レバーやチーズ、大豆製品などに多く含まれており、現代の食生活で不足することはほとんどありません。それだけに、摂り過ぎに気を付ける必要があるのです。リンは食品以外にも、食品添加物として多くの加工食品や清涼飲料水に使用されています。リンを含む食品添加物の主な表記は、「膨張剤、pH 調整剤、乳化剤、イーストフード、リン酸塩、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸」などです。また、リンは食品によって吸収率が違います。特に食品添加物に含まれる「無機リン」は、動物性食品や植物性食品に含まれる「有機リン」よりも吸収率が高くなるとされています。そのため、健康な人の「腎活」として、加工食品や清涼飲料水の過剰な摂取には気を付けて、リンの摂り過ぎを抑えましょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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