- 健康管理!教えて!!2025/09/24 19:48
人間の二足歩行を支えている筋肉は? 骨の進化に合わせて変化した「抗重力筋」と「骨盤底筋」

私たち人間は、四足歩行から二足歩行へと進化した結果、二本の手を自由に使えるようになりました。その一方で、二本の足で体のバランスをとらなければならなくなりました。そのため、骨の進化と共に、筋肉も変化していきました。脊柱が軸になり、重力を支える背部や胸部、腹部などの筋肉が発達したのです。
では、立っている時、筋肉はどのような働きをしているのでしょうか。人は誰でも、地球の重力によって下から引っ張られるような力を受けます。このような重力に対して体を支えるために働く筋肉を「抗重力筋」といいます。抗重力筋は、地球の重力に負けないように、背部や腹部、太もも、臀部(お尻)などの体の前後に張り巡らされ、互いに緊張と弛緩を繰り返し立位姿勢を保っている筋肉群です。主な抗重力筋としては、僧帽筋、胸鎖乳突筋、脊柱起立筋、大腰筋、腹直筋、大殿筋、ハムストリングス(下肢大腿部後面にある筋肉の総称)、ヒラメ筋などが挙げられます。
抗重力筋の中でも、特に姿勢保持に働く筋肉は主に背側で、脊柱起立筋やハムストリングス、ヒラメ筋などがあり、主要姿勢筋とも呼ばれています。正常立位(立っていること)での重心は、やや前方になるため、背側の筋肉が緊張状態を持って姿勢を保っています。
また、骨盤の底には、「骨盤底筋」と呼ばれる、膀胱や女性の子宮などの内臓を支えるハンモック状の筋肉があります。骨盤底筋は、背部や腹部、太ももの筋肉につながる筋肉であるため、骨盤底筋を鍛えることで、これらの筋肉に力が入りやすくなり、体の軸が安定します。さらに、ウエスト周りが引き締まったり、姿勢がよくなったり、ヒップアップ効果もあるといわれているので、加齢や出産などで骨盤底筋が衰えやすい女性には、この筋肉を鍛えることをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)