大人になっても脳は成長する?「神経細胞(ニューロン)」のシナプス接合がカギに

脳は、全身の司令塔として、思考や感情、行動などのすべてを司っています。脳の構造を見てみると、水分を除く約60%が脂質で構成され、成人の場合、重さは1.2~1.5kg程度。脳全体には毛細血管が張り巡らされており、心臓が体に送り出す血液のうち、約1/5は脳へ運ばれているといわれています。また、脳は役割の違いから「大脳(大脳皮質、大脳辺縁系)」「小脳」「間脳」「脳幹」の4つに分けることができます。そして、この脳の成長に重要な役割を担っているとされているのが、「神経細胞(ニューロン)」です。

神経細胞は、脳内に1000億個以上存在し、末端に「シナプス」という別の神経細胞との接合部位があります。シナプスは、ギリシャ語で握手という意味の「シナプシス」が由来とされ、神経伝達物質を放出して、別の神経細胞と情報を交換しています。シナプスの数は、生まれてから1~3歳前後までは急激に増えていきますが、それ以降はほとんど増えずに、毎日消滅していくとのこと。では、どのように脳は成長しているのでしょうか。

実は、消滅したシナプスとほぼ同数のシナプスがつくられ、その時に別の神経細胞との接合の仕方や神経伝達物質に対する反応が変化していくそうです。これにより、情報の伝わり方が変化し、脳は成長することができるのです。例えば、成長とともに細やかな指の動きができるようになるのは、適切な神経回路がつくられることで指令をスムーズに伝えることができようになるからです。また、神経回路は、頭の回転が速い人ほどシンプルであるといわれています。つまり、頭の回転が速い人は、学習や経験によりシナプスの接合が変化し、効率良く情報が伝わるような神経回路になっているとのこと。

そして、このシナプスの生まれ変わりは、成長期の子どもだけでなく、大人でも行われています。成長期の子どもと比較すると少ないですが、大人でも1日約1%のシナプスが生まれ変わっているとされています。大人になってから脳を成長させるためには、数少ないシナプスの生まれ変わりの中で、シナプスの接合を改善させ、神経回路をシンプルにしていくことがカギといえるのです。

ちなみに、大人に比べて子どもの方が物の覚えが早いのは、子どもの方が生まれ変わるシナプスの量が多いからです。年を重ねていくと頭が固くなるという表現をしますが、それは年を重ねるごとにシナプスの生まれ変わりが減り、神経回路が変化しづらくなるためといわれています。(監修:健康管理士一般指導員)


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