- 健康管理!教えて!!2025/09/17 21:24
「気功」を行う際の基本となる呼吸法とは? 腹式呼吸を意識的に取り入れて心身を強く

「気功」は、中国古来の自己鍛錬法で呼吸法と体操によって体内の気血の循環をよくし、病気予防・健康維持を図るものです。もともとは、中国中央部で発達したといわれています。中国中央部は湿地帯であり、気血の流れを滞らせる原因になる「湿邪」が生じやすい状態にあります。湿気は経路を渋滞させて関節痛や運動障害を引き起こす病邪であり、そのため気血のスムーズな流れを保つ方法として気功が発達したとされています。
気功には、呼吸が深く関わっていますが、その基本となるのが腹式呼吸です。腹式呼吸は、腹を出したり引っ込めたりすることで横隔膜を上下させる呼吸法になります。この腹式呼吸を意識的に取り入れることによって、新鮮な空気を体に取り込むことができ、年齢や性別に関係なく、誰でも手軽に体と心を強くし、老化を防ぐことができるといわれています。
例えば、長い階段を上りきった時、予想以上に息が切れていて、体の衰えを実感したこともあるかと思います。加齢による筋力の低下によって肺活量が落ち、呼吸は浅くなります。すると、新鮮な空気を体に取り込めなくなると同時に、老廃物が排出されにくくなって体内に蓄積します。そのため、気の流れや血の巡りが悪くなって、老化が進んでしまうのです。
また、ストレスの多い毎日は、気の流れや血の巡りを停滞させて、イライラや情緒不安定などを引き起こし、心身の老化をさらに進めてしまいます。ゆったりとした深い呼吸は、体に新鮮な空気を取り入れてエネルギーを巡らせると同時に、自律神経にやさしく働きかけて気分をリラックスさせるので、精神面への効果も期待できます。
腹式呼吸の方法は、とてもシンプルです。まず、鼻の穴を広げてゆっくりと鼻から息を吸い、口を軽く開け、口から息をゆっくり送り出します。また、息を吸うときはお腹を膨らませ、吐く時にはお腹をへこませることを意識します。朝や、木の多い公園など新鮮な空気に満ち溢れている場所で行うと、より効果が得られます。服装も、体を締め付けるものではなく、ゆったりとした楽な服装にすることで、心も体もリラックスすることができます。(監修:健康管理士一般指導員)