筋肉を動かした時に発生する老廃物「クレアチニン」とは? 血中のクレアチニン値が腎機能の指標に

私たちの体内では、エネルギーの代謝の過程でさまざまな老廃物が作られています。この老廃物の代表的なものに「クレアチニン」があります。クレアチニンは、主に筋肉においてエネルギー代謝を行った際に発生する老廃物です。筋肉は収縮のたびにエネルギーであるATPが消費されるため、貯蔵されているATPだけでは賄うことができません。そのため、筋肉にはATPを生み出す代謝経路が複数存在しています。クレアチニンはその経路の一つでつくられる代謝産物です。

では、クレアチニンが作られる流れを見てみましょう。クレアチニンは、まず「クレアチン」という物質から始まります。クレアチンはアミノ酸を材料にして肝臓でつくられる物質で、代謝産物のクレアチニンと名前はとても似ていますが別物です。クレアチンが筋肉に移動してリン酸と結合すると「クレアチンリン酸」に変化します。クレアチンリン酸はリン酸をADPというATPの前駆体に渡します。すると、ADPはATPになりエネルギーを生み出すことができます。そして、リン酸を渡したクレアチンリン酸はクレアチンに戻ります。

再びクレアチンにリン酸が結合するとクレアチンリン酸となり、ADPにリン酸を渡してATPにする、という過程を繰り返すことでATPを次々と作り出しています。しかし、クレアチンはリン酸との結合を永遠と繰り返すことはできないため分解されて、クレアチニンがつくられます。そして、クレアチニンは老廃物であるため血液中に入り、腎臓へ移動して尿として排出されていきます。

血中のクレアチニン値は、腎機能の指標となっています。クレアチニンは健康であればほぼ100%尿として排出されますが、腎臓の機能が低下すると排出できず血中に残ったままになります。血中のクレアチニン値が基準値より少し高い程度では症状が出ないといわれていますが、高値になると腎機能の低下が進んでいると考えられるため、むくみや貧血、倦怠感などの症状が出る場合があります。

ただし、クレアチニンは筋肉のエネルギー代謝の過程で発生する老廃物であることから、筋肉量が多ければ多いほど血中のクレアチニン値が高くなるといわれており、実際には血中のクレアチニン値だけでなく、尿中のタンパク質などの他の検査数値と併せて腎機能を判断することになります。(監修:健康管理士一般指導員)


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