- 健康管理!教えて!!2025/06/30 23:55
のどの構造と働きとは? 空気が通る「気管」と食物が通る「食道」の交差点に

のどは、空気を吸ったり、声を出したり、食物を食べたり飲んだりするために必要不可欠な器官です。では、のどの構造はどのようになっているのでしょうか。のどには、大きく分けて咽頭と喉頭の2つの構造があります。咽頭は、鼻腔の奥から食道につながる部分で、上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つの部分に分かれています。上咽頭は、鼻腔の奥から軟口蓋まで、中咽頭は軟口蓋から喉頭蓋、下咽頭は喉頭蓋から食道につながる部分に相当します。一方、喉頭は、咽頭から肺に向かう器官入り口の部分であり、周囲は軟骨で囲まれています。この軟骨のうち、甲状軟骨と呼ばれる部分がいわゆる「のどぼとけ」になります。
花粉症にかかると目のかゆみや鼻水が主な症状として表れますが、のどは鼻や肺とつながっているため、のどがイガイガしたり、咳が出たりする人もいます。これは、花粉が鼻水と一緒に鼻の奥からのどに流れて粘膜に付着するからです。これによって、のどが炎症を起こし、のどにかゆみや違和感が生じ、咳が出たりするようになるのです。
空気は、鼻や口から入って肺へ送られます。その一方で、食物は口から入り、食道を通って胃へと送られます。どちらものどを通っていますが、空気は気管へ、食物は食道へと振り分けられます。この切り替え役を担っているのが咽頭の中ほどにある軟口蓋と、喉頭の上方部にある喉頭蓋です。息を吸うときは軟口蓋が下がり、喉頭蓋が上がっている状態で、気管への道を確保しています。
食べるときは、食物が舌に押し込まれるように咽頭に送られます。このとき、咽頭では軟口蓋が持ち上がって鼻の入り口が閉じられ、食物が鼻に逆流するのを防ぎます。それと同時に喉頭蓋が下がり、気管の入り口を閉じる蓋のような形になります。こうすることで、食物は気管に流れることなく、食道へと送られています。
しかし、あわてて食物を飲み込むと、軟口蓋と喉頭蓋の連携がうまくいかず、食物が気管へと入ってしまうことがあります。すると侵入物を外へ追い出そうとして、反射的に咳が出る仕組みになっているのです。(監修:健康管理士一般指導員)