「遺伝子編集食品」は遺伝子組み換え食品と何が違う? 遺伝子を切ってつなげて新しい食品を開発

バイオテクノロジーを使って開発された食品として、遺伝子組み換え食品と遺伝子編集食品が知られています。日本では、2019年から遺伝子編集食品の販売や流通に関する届け出制度が始まりました。一方、遺伝子組み換え食品の生産は国内では認められていません。では、遺伝子編集食品と遺伝子組み換え食品は何が違うのでしょうか。

まず、遺伝子組み換え食品は、別の生物の遺伝子を組み込むことで遺伝的性質の改良を行った食品です。現在、日本での生産は認められていませんが、輸入は認められており、ジャガイモ、大豆、てんさい、とうもろこし、菜種、絹など100種類以上が流通しています。ただし、稲や食用の家畜の承認はされていません。また、遺伝子組み換え食品は、安全性審査や表示が義務付けられています。日本では、商品の全材料中の重量が上位3品目以内かつ、使用した分量全体の5%以上の場合に「遺伝子組み換え食品」と表示しなければなりません。

これに対して、遺伝子編集食品は、遺伝子を切ったりつないだりして新たな形を人工的に生み出す技術を使った食品です、狙い通りの遺伝子を切断するための「ハサミ」の役割をするタンパク質酵素を使って切断します。遺伝子編集を行った食品としては、血圧を下げるとされる成分「GABA」を多く含んだトマト、ジャガイモの芽や緑の皮に含まれる毒性を持つ「ソラニン」を減らしたジャガイモなどが開発されています。

遺伝子編集食品の販売には、遺伝子組み換え食品では義務とされている安全性審査は必要ありませんが、企業はどのような遺伝子編集をしたのかなど内容の届け出を厚生労働省に行います。こうしたルールは、輸入品についても同様に課されています。いずれにしても、無数にある食の選択肢の中から、遺伝子組み換え食品や遺伝子編集食品を選ぶのは自分自身です。正しい知識を得て、自分にとって安全な食品を選択するようにしてください。(監修:健康管理士一般指導員)


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