バイドゥ、愛知大学の学生研究チーム「JAWS」と共同でキーボードアプリ「Simeji」にユーザーの感情表現をサポートする機能を搭載

左から:バイドゥ プロダクト事業部 古谷由宇氏、愛知大学 黒野利心さん、愛知大学 中川和香さん、愛知大学 福永勝吾さん、愛知大学 瀬尾奈々子さん

バイドゥが提供するきせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」(iOS、Android版)は、愛知大学の学生研究チーム「JAWS」と共同で取り組む「マルハラをまぁるくプロジェクト」から、ユーザーの感情表現をサポートする新機能を5月にリリースした。同プロジェクトは、世代間の“言葉の温度差”に着目し、より快適なテキストコミュニケーションの実現を目指す産学連携の取り組み。ことばの日(5月18日)に向けて、5月14日に愛知大学生とともに同プロジェクトの成果を発表する「マルハラをまぁるくプロジェクトプレス向け成果発表会」を開催した。

バイドゥ プロダクト事業部 古谷由宇氏

「『Simeji』は、2008年にリリースし、今年で17年目のきせかえ顔文字キーボードアプリ。今年4月時点で7000万ダウンロードを記録した」と、バイドゥ プロダクト事業部 古谷由宇氏。「ユーザーの特徴は、男女ともに10代の利用者が多く、ゲーム好きやアニメ好き、音楽好きな人々に親しまれている」と、感情表現も文字にしやすい点が評価されていると説明する。「主な機能は、きせかえや自作きせかえの他、顔絵文字や絵文字も豊富に揃える。また、クラウド超変換を導入。新しい年号が発表された時や、新トレンドなどをすぐに反映できるようになっている。このほか、予測変換についても好評を得ている」と、独自の変換機能が評価されているとアピールした。「Simejiでは、ユーザーの声を大切にし、日々のちょっとした不便やもっとこうしたいという想いに寄り添うアップデートを重ねてきた。特に近年では、ことばを使う環境そのものに目を向け、安心してコミュニケーションできる場づくりにも取り組んでいる」とのこと。「テキスト誤解防止機能では、相手を傷つける可能性がある強い表現を入力すると、警告を表示。より伝わりやすい表現を候補として提案する。闇バイト対策機能では、高収入や即日払いなどのワードに対し警告。危険なバイトワークに警告表示する」と、安心・安全に使えるようにユーザーからの意見を取り入れてアップデートしていると紹介した。

「『マルハラをまぁるくプロジェクト』は、昨年9月に愛知大学の学生研究チーム『JAWS』から寄せられた、『オンラインコミュニケーションの快適化』に関する提案をきっかけに始動した。昨今、Z世代では“いい方”への敏感さや炎上回避の傾向が強まる一方で、上の世代からは“配慮疲れ”の声も聞かれる。実際に学生たち自身が感じた“マルハラ(句点ハラスメント)”など、テキスト表現の難しさや、世代間の価値観のズレに対する問題意識があった。今回のプロジェクトでは、研究チームの実体験や問題意識に加え、全国7965名から寄せられた調査結果をもとに、世代や立場を問わず使える『もっと円滑なコミュニケーション』の実現に向けた新機能の開発に取り組んだ」と、今回のプロジェクトおよび開発経緯について説明した。

左から:バイドゥ プロダクト事業部 古谷由宇氏、愛知大学 黒野利心さん、愛知大学 中川和香さん、愛知大学 福永勝吾さん、愛知大学 瀬尾奈々子さん

そして、愛知大学 黒野利心さん、同 瀬尾奈々子さん、同 中川和香さん、同 福永勝吾さんが「マルハラをまぁるくプロジェクト」の成果発表として、マルハラに関する調査結果や新機能について発表した。

左から:愛知大学 黒野利心さん、愛知大学 中川和香さん
左から:愛知大学 福永勝吾さん、愛知大学 瀬尾奈々子さん

「オンラインコミュニケーションを快適にするべく、学生のリアルな問題提起から、プロジェクトを発足。学生たちと様々な取り組みを行ってきた実績を有するSimejiへ提案を行い、共同リサーチおよび開発方針の検討を行った。そして、新機能を開発し、Simejiに実装するに至った」と、黒野さんがプロジェクトの背景について解説する。

愛知大学 黒野利心さん

「今回、Simejiへの提案として、絵文字の正確な意思疎通における重要性を説くべく、顔絵文字のポジショニングマップを作成した」と瀬尾さんがポジショニングマップを紹介。「絵文字はコミュニケーションにおいて利便性が高いことから、シチュエーション別絵文字セットを取り入れることにした」と、12の感情から選べる絵文字セットになっている。

愛知大学 瀬尾奈々子さん

次に、マルハラに関する調査について中川さんが発表した。「『。』について、Z世代では礼儀や誠意を込めた丁寧な表現として使うのに対し、大人世代では無意識に文末記号として処理する」と、句点というごく小さな表現でも印象のギャップが生まれることが明らかになった。「絵文字をモチベーションや感情表現を後押しするツールとの意見が多く挙がった」と、絵文字は世代を超えたちょうどいい気持ちの添え方なのだと訴える。

愛知大学 中川和香さん

「しかし、絵文字は、見る人や文脈によって、誤解やすれ違いにつながることも明らかになった」と、絵文字ひとつで印象が変わるため、誰に、どんな文脈で絵文字を使うかを意識することが大切なのだと説明した。「調査では『!』や『...』は、柔らかく伝えるちょうどいい記号であることもわかった」と、絵文字ほど感情の印象が強くなり過ぎず、句点のようにかしこまりすぎない表現が明らかになったと発表した。

愛知大学 福永勝吾さん

「調査結果から今回新機能として、まぁるく変換といろいろ感情をリリースする」と福永さん。「まぁるく変換では、入力したフレーズに対して、文末にちょうどいい絵文字を添えた例文を自動で提案してくれる」と、ユーザー自身で選択しやすいようになっていると説明する。「提案内容は200以上となっている」と、豊富な変換内容を用意していると教えてくれた。「いろいろ感情は、感謝や謝罪、断りなど12の感情から選べる絵文字セット。言葉で伝えにくい気持ちもちょうどよく伝わる。またこの気持ちで送ったことが説明しやすい」と、特徴を紹介してくれた。

デモンストレーションを行う、左から:バイドゥ プロダクト事業部 古谷由宇氏、愛知大学 福永勝吾さん

新機能開発について古谷氏は、「ポジショニングマップなどは学生たちの意見を取り入れて作った。元々の提案が素晴らしかったので、開発に苦労するということはなかった」とのこと。「新機能は、様々な世代の人々に使ってもらいたいと思っている。感情をテキストに込めてもらうきっかけになればと期待している」と、円滑なコミュニケーションの一助になってもらいたいと話していた。

バイドゥ プロダクト事業部 古谷由宇氏

最後に、古谷氏は、「今回取り上げた“マルハラ(句点ハラスメント)”は、誰かを一方的に責めるための言葉ではない。伝えたかった気持ちがうまく届かなかった、ちょっとした表現が思わぬ誤解を生んでしまったといったすれ違いの背景には、世代や立場を超えた“言葉の受け取り方”の違いが存在している。だからこそ、お互いを思いやる気持ちを大切にして、“やさしさ”を前提としたコミュニケーションについて考えてもらいたいと思っている」と、機能開発や意識調査を通じて、ユーザーの声や社会のニーズに寄り添った取り組みを継続していきたい考えを示した。

[調査概要]
調査名:マルハラに関する意識調査
調査対象:全国のSimejiユーザー
有効回答数:7965件
調査期間:2月5日〜2月12日
調査方法:Simejiアプリ内アンケートフォームにて実施
調査主体:Simeji/愛知大学の学生研究チーム「JAWS」

Simeji=https://simeji.me
愛知大学=https://www.aichi-u.ac.jp
バイドゥ=http://www.baidu.jp


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