SIP「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」シンポジウム2025で中高生による展示企画「みんなの違和館」の構想発表

「みんなの違和館」の構想を発表した玉川学園の生徒たち

医薬基盤・健康・栄養研究所は、ウェルビーイングの最大化実現に向けた、内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(以下、SIP)の取り組みとして、「SIP『包摂的コミュニティプラットフォームの構築』シンポジウム2025」を3月18日に開催した。今回のシンポジウムでは、「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」における活動「世の中ちょっと良くする部」に参加している玉川学園(東京都町田市)の中学生・高校生による新たな展示企画「みんなの違和館」の構想が発表された。また、春以降に開催予定の一般向け展示に先立ち、同会場で「みんなの違和館」の一部展示を先行公開した。

「みんなの違和館」の先行展示

現在、少子高齢化の進展と共に、核家族化や地域のつながりの希薄化が進み、社会的孤立が課題となっている。また、病気をきっかけとした断絶、子育て世代の不安や孤立、女性、介護が必要な高齢者や障がい者の孤立は、今後さらに深刻化する可能性がある。この孤立を深める要因の一つが、「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」であり、性別や年齢、見た目や立場だけで判断し、人と人の接点を狭めてしまうことが懸念されている。

「みんなの違和館」の先行展示

そこで今回、内閣府SIP第3期「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」において発足した「世の中ちょっと良くする部」に参加している玉川学園の中学3年生から高校3年生の計25名が、「若者も高齢者も長生きしたい社会をデザインする」ことをテーマに、アンコンシャス・バイアスの気づきを世の中に広く訴求する新しい展示「みんなの違和館」を企画。玉川学園の代表生徒がシンポジウム内で同企画の構想について発表した。

SIP「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」プログラムディレクターの久野譜也氏

SIP「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」プログラムディレクターの久野譜也氏は、シンポジウムの講演で、「包摂的コミュニティプラットフォームの取り組みを推進する中で、大人の考え方だけでは社会は変わらないだろうと考えた。そこで、これからの未来を担う中学生・高校生にもプロジェクトに関わってもらうべく、今年度から玉川学園と連携して『世の中ちょっと良くする部』を発足。部活動として『わたしたちの未来会議』を展開し、どうやったら社会を変革していけるメッセージを出せるのかを、生徒たちと一緒に考えてきた。今回のシンポジウムで先行公開した『みんなの違和館』の展示も、この活動の中で生徒たちから生まれた企画になる」と、学生主体のプロジェクト「世の中ちょっと良くする部」を立ち上げた経緯について説明した。

チームWISHの澤井柚奈さん(左)と竹内優希菜さん

「みんなの違和館」の構想発表では、まず、玉川学園高等部の澤井柚奈さんと竹内優希菜さんによるチームWISHが登壇。「未来の『ふつう』を創る」をテーマに、「みんなの違和館」の取り組み概要について紹介した。「『みんなの違和館』は、見えない偏見を可視化することで、社会の当たり前を違和感へと変え、高校生が感じている息苦しさを社会に知ってもらうことを目的とした展示企画」とのこと。「今回のシンポジウムで一部展示を先行公開し、4月には一般向け展示の開催を予定している。今後の展開としては、他校と連携し全国で『みんなの違和館』を開催していく。また、対象を幼稚園生とその保護者に広げ、絵本を通じた『三つ子のたましいプロジェクト』を展開していきたい」と、今後の展望を発表した。

チームGENKI!の杜康平さん(左)と金岡芽依さん

続いて、玉川学園高等部の金岡芽依さんと玉川学園中学部の杜康平さんによるチームGENKI!が、「未来の元気、私たちの本気」と題したプレゼンを行った。「人生100年時代に向けて、ウェルビーイングを維持するには、人とのつながりや生きがい、多様性を受け入れる気持ちが大切になる。しかし、今の現実は知らない人への不信感から、多くの人が『おはよう』と挨拶するのを怖いと感じている。『おはよう』が怖い社会は、孤立・孤独の増加や偏見の拡大を招き、幸福度・ウェルビーイングの低下につながる恐れがある」と、挨拶による交流がなくなりつつあると指摘する。「そこで、私たちは『おはよう』が怖くなった社会でも元気に生きられる方法を検討。FC町田ゼルビアと協力し、スタジアム前や町田市の広場で『コミュニティビンゴ』を開催した。このイベントを通じて、知らない人とも安心してつながれる機会を創出することができた。しかし、何より簡単な方法は、みんなが勇気を出して挨拶することだと思っている。これを機にぜひ、元気よく、毎日挨拶してほしい」と、「GMA(元気よく・毎日・挨拶)運動」を推進していくと意気込みを語った。

「みんなの違和館」の先行展示

シンポジウムの会場では、4月の一般向け展示に先立ち、「みんなの違和館」の一部展示が公開された。今回の先行展示の狙いについて、チームWISHの澤井さんと竹内さんは、「高校生が社会で違和感を感じた言葉と、それに対する説明をパネルにして展示することで、大人が見てドキッとするような構成にしたいと思った。この展示を通じて、大人が当たり前だと思っていることや、社会に浸透している偏見を、違和感として認識してもらいたい。まずは、私たちに一番近い大人である親や先生、そして子育てをしている人たち、将来的には、もっと上の世代や子どもと関わることが少ない人にも波紋のように広げていければと考えている」と話していた。

SIP「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」プログラムディレクター補佐の塚尾晶子氏

また、SIP「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」プログラムディレクター補佐の塚尾晶子氏は、「『世の中ちょっと良くする部』は、包摂的コミュニティプラットフォームの構築に向けたPR戦略のカギになる取り組みであり、これまで玉川学園の生徒たちと一緒に『わたしたちの未来会議』を進めてきた。その中では、『人生100年時代といわれるが、私たちは100歳まで生きたくない』という言葉も挙がっていた。そこで、生徒たちには、自分たちで自分の未来を変えられる社会を作るインフルエンサーになってもらい、アカデミアの言葉ではなく、生活者の言葉で伝えていくことを大切にしている。今回、その生徒たちが新たに発案した展示企画『みんなの違和館』を、ここから全国に広げていきたい」と、「みんなの違和館」に込めた想いを述べた。

医薬基盤・健康・栄養研究所=https://www.nibn.go.jp/index.html
戦略的イノベーション創造プログラム「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」=https://www.nibn.go.jp/sip3-housetsu/
世の中ちょっと良くする部=https://www.yokusurubu.jp/


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