熊本大学と総合メディカルグループ、医療人財の育成を中核に包括的連携協定を締結、地域医療モデルを熊本から全国に発信

左から:熊本大学 学長の小川久雄氏、総合メディカルグループ 代表取締役社長の多田荘一郎氏

熊本大学と総合メディカルグループは、日本の医療が直面する構造的課題の解決に向け、医療人財の育成・役割再定義を中核とした包括的連携協定を締結した。これにともない、2月4日に行われた調印式および記者説明会では、熊本大学と総合メディカルグループによる包括的連携の背景や概要、今後の取り組みなどについて説明した。

調印式の様子(左から:熊本大学 学長の小川久雄氏、総合メディカルグループ 代表取締役社長の多田荘一郎氏)

今回の包括的連携協定は、病院完結型から地域・在宅まで切れ目のない医療提供体制への転換が求められる中で、「人財のアップデート」こそが最大のボトルネックであるという共通認識のもと、大学の高度医療・研究の知見と、地域医療の現場を熟知した企業の実装力を融合し、現場で機能する医療モデルを構築することを目的としている。調印式には、熊本大学 学長の小川久雄氏と総合メディカルグループ 代表取締役社長の多田荘一郎氏が出席し、協定書への署名取り交わしが行われた。

総合メディカルグループ 代表取締役社長の多田荘一郎氏

調印式後の記者説明会で、総合メディカルグループの多田氏は、「今回の包括的連携協定は、単なる大学と企業の連携ではなく、熊本から日本の医療と地域社会の未来を一緒に創っていくための第一歩となる。熊本大学が持つ高度医療や研究成果、人材育成の力と、当社が地域医療や在宅の現場で積み上げてきた実装の力、人財を軸に結びつけていくスタートラインに立ったと考えている」と、包括的連携協定を締結する意義を説明。「日本の医療は技術や専門性ではトップクラスにある一方で、病院から地域、在宅へと患者が移っていくプロセスに課題があると感じている。高齢化が進み、慢性疾患が増える中で、医療やケアは病院の中だけで完結するものではなくなってきている。本当に必要なのは、制度や設備ではなく、異なる専門性や立場を持つ人々が、いかに有機的に連携して患者を支えていけるかにある」と、医療の未来を左右するのは現場で患者を支える“人財”なのだと強調する。

「この連携を通じて、熊本大学の人を育てる力と、当社が培ってきた実務の知恵を掛け合わせることで、地域の医療現場で人と人をつなぎ、チームを動かせるリーダーシップを持った人財を育てていく。協定の締結に先立ち、すでに当社の薬剤師が熊本大学病院の現場で学ぶ取り組みが始まっている。大学病院の高度な医療と、地域・在宅の実務が同じ現場で交わることこそが包括的連携の大きな価値だと感じている。我々が目指すのは、医療と福祉と地域が分断されずに、人々が安心して暮らせる社会づくりである。今後、熊本で育った人財と仕組みが日本の他の地域にも広がっていくことを願っている」と、日本の地域医療モデルを熊本から全国へ発信していくと意気込みを語った。

熊本大学 学長の小川久雄氏

続いて、熊本大学の小川氏が、包括的連携協定の概要および同大学の地域連携の取り組みを紹介した。「今回の包括的連携は、保健、医療、福祉、人材育成、地域貢献、研究開発などの分野で相互の知的・人的資源を活用し、地域住民の健康増進・医療の質向上・持続可能な社会の実現を目指すことを目的としている。具体的には、『教育および人材育成』『退院後支援および地域包括ケア』『患者中心の医療』『研究およびデータの活用』という4つの柱を軸に、取り組みを推進していく。現在、熊本大学病院薬剤部において、そうごう薬局の病院薬剤師研修を開始し、リカレント教育プログラムを実践している。さらに今後は、共同研究を進め、研究力の強化を図っていく」と、包括的連携協定が目指す方向性を示す。「当大学では、『教育』『研究』『社会との共創・医療』の3つの戦略に基づく取り組みを実行することで、地域と世界に開かれ、共創を通じて社会に貢献する教育研究拠点大学を目指している。これに向けて、2021年4月以降、教育・金融・医療など幅広い分野で包括的連携を行っており、今回の総合メディカルグループとの協定締結で21件目となる」と、包括的連携を積極的に実施する背景にも言及した。

「地域の連携促進としては、『くまもとメディカルネットワーク(KMN)』を2015年から開始している。同ネットワークでは、熊本県・県医師会・熊本大学が連携し、病院、診療所、歯科、薬局、訪問看護ステーション、介護施設などを結び、診療に必要な情報を共有している。県内のネットワーク参加同意者数は、今年1月時点で18万人を超えており、ここまで地域連携ができているメディカルネットワークは国内にはないと自負している」と、「くまもとメディカルネットワーク」を通じて質の高い地域医療・介護サービスを実現していると胸を張る。「このネットワークは、医療従事者と患者双方に大きなメリットをもたらしている。実際に、令和2年7月豪雨の際には、『くまもとメディカルネットワーク』に医療情報が集約されていたため、被害に遭った病院の患者データを搬送先の病院に送り、スムーズに診療を継続することができた。今後は、地域連携データの活用法をさらに広げていきたい」と、引き続き「くまもとメディカルネットワーク」を推進し、県民の安心の実現に向けて尽力していくとの考えを述べた。

熊本大学=https://www.kumamoto-u.ac.jp/
総合メディカルグループ=https://www.sogo-medical.co.jp/


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