- Drink&Food2025/11/19 23:10
チーズプロフェッショナル協会、チーズコンテスト「World Cheese Awards 2025」の結果を発表、出品チーズを使用した料理も提供

チーズプロフェッショナル協会(以下、C.P.A.)は11月18日、11月13日~11月15日にスイスで開催された、世界46ヵ国から5244品のチーズが集結した世界最大級のチーズコンテスト「World Cheese Awards 2025」(以下、WCA)にともない、日本から出品した国内40工房・48品の国産ナチュラルチーズの受賞結果を発表。出品チーズを使用した特別料理の試食や、生産者・審査員・シェフによるトークセッションを実施した。

成果報告会当日は、WCA会場 スイスで生産者審査員を務めた「チーズ工房NEEDS(北海道・十勝)」の磯部公児氏が、国産ナチュラルチーズの世界からの評価について紹介した他、「チーズ工房那須の森(栃木県・那須)」の山川将弘氏、GOOD CHEESE LABORATORY チーズクラフトマンの貞光信哉氏、数々の受賞を果たしてきた東京・清瀬の牧場から届く搾りたて生乳でつくるピッツァ・ダイニング「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」のシェフ 梅村雅敏氏による「WCAで見えてきた、日本独自の至福のチーズ文化」と題したトークセッションも行われた。また、WCAに出品した国産ナチュラルチーズ7種類の試食や、出品チーズと生産地の食材を用いた「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」との特別な限定コラボレーションメニューが振舞われた。

「当協会では、日本の食卓や、様々な生活シーンにチーズを定着させるために、日々活動を行っている」と、チーズプロフェッショナル協会会長 坂上あき氏が挨拶。「チーズを愛し、その魅力を広めたいと思うすべての人々のために、チーズに親しんでもらうための様々なイベントを開催している」と、C.P.A.の活動内容について紹介。「世界最大級のチーズコンテスト『World Cheese Awards』は、単なる競技会ではなく、チーズ文化そのものを共有し、国や地域を超えて互いに刺激し高め合うことで、これまで6回の大会に国産ナチュラルチーズを出品してきた。この取り組みが世界のチーズ関係者から評価され、国産ナチュラルチーズの認知度が高まってきている」と、国産ナチュラルチーズが一目置かれる存在になっていると説く。

「一方で、国内における国産ナチュラルチーズの認知度は依然として低い状況にある」と、一般消費者への国産ナチュラルチーズの普及が大きな課題になっていると訴える。「そこで今回、WCAの受賞報告会を行うことで、国産ナチュラルチーズの魅力を伝えると共に、出品チーズと生産地の食材を用いた『GOOD CHEESE GOOD PIZZA』との特別な限定コラボレーションメニューを提供することで、国産ナチュラルチーズの素晴らしさをアピールしていく」と、国産ナチュラルチーズの認知度拡大に努めていきたい考えを示した。

続いて、坂上氏と共に、WCA会場 スイスで生産者審査員を務めた「チーズ工房NEEDS(北海道・十勝)」の磯部公児氏が、WCAに日本から出品した国内40工房・48品の国産ナチュラルチーズの成果について報告を行った。磯部氏は、「今回のWCAには世界46ヵ国から5244のチーズが集結。様々なチーズが会場に並べられた時はとても壮観だった」と、世界中のチーズが一同に会したコンテストであったと振り返る。

「一次審査では、世界各国のチーズ専門家からなる265名の審査員が2~3のチームを組み110あるテーブルにわかれて、外観、テクスチャー、食感、風味を採点。それぞれのテーブルからGold(金賞)、Silver(銀賞)、Bronze(銅賞)が選ばれ、Goldの中からそのテーブルの最高賞であるSuper Goldが選出された。私のテーブルにはスイスのチーズが並べられていたため、スイスのチーズを中心に採点を行った」と、グループにわかれて審査を行ったのだと話す。坂上氏は、「Bronzeに選ばれるだけでも大変なこと」と、一次審査を乗り越えるだけでも大変なことであると述べていた。

そして、日本のチーズは、Gold、Silver、Bronzeを合わせて48品中22品が受賞した。坂上氏は、「受賞した22品の中から、『養沢ヤギ牧場』が出品した『養沢ヤギチーズ』、『乳ぃーずの物語。』が出品した『雪子』がSuper Gold賞を受賞した。国産ナチュラルチーズは世界に誇れる位置に近づくことができた」と、日本の地域文化や風土に根差した国産ナチュラルチーズが世界水準であると実感できるコンテストであったと訴えた。

磯部氏も、「世界各国の審査員からは、国産ナチュラルチーズはすでに世界水準に達しているとの意見が挙がっていた。これからは日本独自の個性を磨いていくフェーズなのかもしれない」と、独創性を磨いていくことで、さらに世界から認められるチーズが生まれるのではないかとの見解を述べていた。

この後、「チーズ工房那須の森(栃木県・那須)」の山川将弘氏、GOOD CHEESE LABORATORY チーズクラフトマンの貞光信哉氏、ピッツァ・ダイニング「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」のシェフ 梅村雅敏氏によるトークセッションが行われた。山川氏は、「その土地の草や水、土壌などで牛のミルクが違ってくる。そのミルクを使ったチーズも同様に、独自の見た目や風味、食感が生まれる」と、牛乳に違いがあるようにチーズにもその風土や文化などによって違いが生まれるのだと説く。

チーズ工房併設のピッツァダイニング「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」のオープニングを機に飲食業の道からチーズ職人へ転向した貞光氏は、「新鮮で出来立てのチーズを都心でも味わってもらいたいと考え、東京のミルクを使ってチーズを作っている」と、地産地消を心がけたチーズづくりを行っているとのこと。「修行時代にミルクは運ばないことがより美味しいチーズができるのだと教えられた。それだけに東京でチーズを作ろうと決心したときには、必然的に東京のミルクを使うという選択になった」と、ミルクを運ぶ距離を極力抑えてチーズを作ることにこだわっていると話していた。

山川氏は、「チーズを作るときに生乳は10%ほどしか使わない。残りの90%はホエイになる。このホエイを価値あるものにするために、様々なことに取り組んでいる」と、ホエイを使ったレモネードが振舞われた。「海外では、ホエイをレモネードのような飲料やお菓子にしたり、料理に活用するなど盛んに取り組まれている。日本でも無駄を無くした取り組みも積極的に行っていく必要があると感じている」と、チーズづくりにおける課題についても警鐘を鳴らしていた。

梅村氏は、WCAに出品したチーズを使用して特別メニューを考案。11月19日からチーズ&ピッツァダイニング「GOOD CHEESE GOOD PIZZA 日比谷」で「国産チーズ応援フェア」として期間限定で提供するという。「国産ナチュラルチーズを使った7種のメニューになっている。チーズを生産している場所の食材を使ってメニューを開発した。生産者のストーリーや想いが感じられるものになっている」と、「GOOD CHEESE GOOD PIZZA 日比谷」でしか味わえない限定メニューになっているとアピールした。

今回梅村氏が考案した7種のメニューから、3品を11月19日から12月18日までの1ヵ月間、「国産チーズ応援フェア」として期間限定で提供する。「槲プレミアム 蝦夷鹿カルパッチョ」は、「槲プレミアム」(北海道、チーズ工房NEEDS、ハードタイプ)の特徴である繊細でコクのあるミルクの風味を生かし、地元食材の蝦夷鹿と長芋を調和させ、その風土や自然がもたらす素材の味を引き出した。長芋を泡仕立てにすることで、存在感を消すことなくアクセントとしてバランス良く感じられる。「チンクエフォルマッジ」は、今回のフェアで結ばれた全国のチーズ工房とそのチーズとのつながりに想いを込め、「融合」をテーマとしたピッツァ。GOOD CHEESE GOOD PIZZA GCGPの「モッツァレラノディーニ」(フレッシュタイプ)と「ロビダイワ」(宮崎県、ダイワファーム、ウォッシュタイプ)、「森のチーズ長熟」(栃木県、チーズ工房那須の森)と「槲プレミアム」、「ブルーチーズ」(長野県、アトリエ・ド・フロマージュ、ブルー)とあわせ、最もシンプルかつその味わいが引き立つ5フォルマッジに仕上げた。「ブルーチーズ そば粉アイスケーキ」は、長野県にあるアトリエ・ド・フロマージュの「ブルーチーズ」がつくられる信州地方の特産品・そば粉を使って焼いたクッキーに、ブルーチーズをアイスに仕立ててサンドした。素朴なそば粉の香ばしさと、濃厚なブルーチーズの味わいが調和した一品となっている。
[WCA×GOOD CHEESE GOOD PIZZA 国産チーズ応援フェア 期間限定コラボレーション概要]
提供開始:11月19日(水)
開催期間:11月19日(水)~12月18日(木)
提供店舗:GOOD CHEESE GOOD PIZZA 日比谷
(東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷2F)
営業時間:月~金:11:00~15:30(L.O. 14:30)/17:00~22:30(L.O. 21:30)
土日祝:11:00~22:30(L.O. 21:30)
予約:電話予約(03-6831-1900)
ネット予約(https://www.tablecheck.com/shops/good-cheese-good-pizza/reserve)
料金:
槲プレミアム 蝦夷鹿カルパッチョ:1980円
チンクエフォルマッジ:3960円
ブルーチーズ そば粉アイスケーキ:880円
(すべて税込)
チーズプロフェッショナル協会=https://www.cheese-professional.com
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