- 健康管理!教えて!!2025/08/25 23:00
ホルモンが体内で作用する仕組みとは? エストロゲンの巡りが滞ると女性の美と健康に大きな影響

私たちの体内で働いているホルモンは、これまでに100種類以上見つかっています。それぞれのホルモンは、作用する標的細胞が決まっており、血液中を巡って標的細胞まで運ばれると何らかの作用を引き起こします。ホルモンは、自律神経のように独自のルートを持たず血液中を流れるため、自律神経のような迅速な指示を出すことはできませんが、ホルモンの方がより持続的に効果を発揮することがわかっています。
ホルモンが体内を巡り、標的細胞で作用するためには、細胞の入り口となる扉の“鍵”を開ける必要があります。この鍵に当たるのが「受容体」です。受容体の多くは、細胞表面の細胞膜に存在しています。水溶性のホルモン(インスリンや成長ホルモンなど)は、この細胞膜にある受容体と結合することで、細胞内の酵素が活性化され、特定の反応が起こる仕組みになっています。一方、脂溶性のホルモン(副腎皮質ホルモンや性ホルモンなど)は、細胞膜を通過し、核内にある受容体と結合します。すると、遺伝子の活性化が起こり、特定のタンパク質が生成される仕組みとなっています。
数あるホルモンの中でも、女性の美と健康に大きく関わっているのがエストロゲンです。エストロゲンは卵巣から分泌されるホルモンであり、肌の潤いを保つ、髪にハリツヤを出す、中性脂肪を減らす、精神を安定させる、血管や骨を強くするといった作用を持っています。
そのため、エストロゲンの巡りが滞ると、肌や髪の潤いが低下してしまいます。また、中性脂肪やLDLコレステロールなどが増え、動脈硬化のリスクが高まるほか、骨粗しょう症にもつながります。年齢とともに徐々にエストロゲンの分泌量は低下しますが、巡りが滞りエストロゲンが標的細胞に作用できなくなることでも影響が出てきます。ホルモンの巡りを支える血液循環を少しでも促すように心がけましょう。(監修:健康管理士一般指導員)