タンパク質の代謝でつくられる「アンモニア」が及ぼす悪影響とは? 神経障害や肌トラブルの原因に

私たちは毎日さまざまな食べ物を摂取してエネルギーを得ています。一方で、食べ物から摂取したタンパク質や体内のタンパク質が分解されると、老廃物として「アンモニア」がつくられます。では、アンモニアが体内にたまると、どのような悪影響を及ぼすのでしょうか。

まず、タンパク質からアンモニアが発生するメカニズムを見てみましょう。三大栄養素のうち、糖質と脂質は「炭素(C)」、「水素(H)」、「酸素(O)」の3つの元素で構成されており、分解・代謝されると最終的に「二酸化炭素」と「水」になります。しかし、タンパク質を構成するアミノ酸は、炭素・水素・酸素の他に「窒素(N)」を持っています。この窒素を分解する過程で、アンモニア(NH3)が発生します。

アミノ酸の分解は、慎重かつ段階的に作業が行われていきます。まず、アミノ酸を分解する時には、アミノ酸の末端にある窒素(N)を含むアミノ基を外します。アミノ酸からアミノ基を外すと、残りはエネルギーとして使われます。そして、外れたアミノ基の分解がさらに進むと、窒素(N)はアンモニア(NH3)としてアミノ基から外れます。このようにしてアミノ酸の代謝によって発生したアンモニアは、最終的に肝臓で無害な「尿素」という形に変えられて排出されていきます。

通常、アンモニアは、肝臓で無害な尿素に分解されますが、肝機能障害があり解毒が上手くできない場合は、血中のアンモニア濃度が高くなり、脳内に入ってしまいます。すると、神経障害を起こし「肝性脳症」と呼ばれる疾患を発症します。肝性脳症を発症すると「意識障害」「異常行動」「はばたき振戦」などの神経症状が現れます。

また、アンモニアは美にも悪影響を及ぼします。便秘などによって腸内で悪玉菌が増えると、悪玉菌は腸内のタンパク質などを腐敗させ、アンモニアをはじめアミン、フェノール、インドールといった有害物質をつくり出します。有害物質は腸から血液中に吸収され、血液を介して全身を巡り一部は汗となり肌の表面へ辿り着きます。そして、汗の中に含まれる有害物質が刺激となって、肌荒れが生じると考えられています。さらには、皮膚からアンモニアガスとして放散され、これが疲労臭につながるといわれています。肌や体臭への影響も出てくるため、腸内環境を良くし、肝機能を高めておくことが大切です。(監修:健康管理士一般指導員)


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