- 健康管理!教えて!!2025/06/12 21:53
腎臓の役割は排泄による体内環境の調整だけではない? 血圧調整・赤血球の生成・骨の強化も

腎臓は、尿を作って体内の老廃物を排泄するという重要な役割を担っています。まず、血液が腎臓を通過する際に、赤血球や白血球などの血球、分子の大きなタンパク質など体に必要な成分以外は濾過されます。そして、不要なものは尿として体外に排泄し、血液をきれいにしてくれます。また、排泄によって水分や電解質、phの割合を調整して、体液の組成を一定に保つ役割を果たしています。さらに、腎臓は排泄による体内環境の調整だけでなく、その他にもいくつか重要な働きを担っています。
一つ目が「血圧の調整」です。血圧が低下して血流が悪くなると、腎臓に流れ込む血流が減ることになり、血液を濾過する働きにも影響が出てしまいます。そのため、腎臓の糸球体にある細胞からは、レニンという血管を収縮させて血圧を上昇させる働きのあるホルモンが分泌されます。一方で、血圧が上昇しすぎると、腎臓の髄質からカリクレインやキニンなどのホルモンが分泌され、血管を拡張して血圧を下げる働きをしています。
二つ目は「赤血球の生成」です。腎臓からは赤血球の生成を促すエリスロポエチンというホルモンも分泌されています。血液中の赤血球には主に酸素を運搬する役割がありますが、その赤血球が減少し、貧血になって酸素不足になると、エリスロポエチンが骨髄に作用して赤血球の生成を促すのです。
もう一つ、腎臓は「骨の強化」にも関わっています。ビタミンDは骨の代謝に関係しているビタミンで、日光を浴びることで体内で合成されたり、食品から摂取したりしています。それらは、肝臓で代謝され、さらに腎臓の働きによって活性型ビタミンDに変化することで、初めて腸内でカルシウムの吸収を促したり、骨へのカルシウムの沈着を促進したりすることができるのです。(監修:健康管理士一般指導員)