- 健康管理!教えて!!2025/06/10 23:41
運動能力の高さは遺伝が影響している? 遺伝的要因はアスリートになるための一要素

野球やサッカー、相撲、ゴルフ、陸上など様々なアスリートの世界では、親子2代で活躍している選手も少なくありません。優れた運動能力を持っているアスリートは、やはり親から受け継がれた優れた遺伝子が影響しているのでしょうか。
運動のセンスは、遺伝だけでなく、運動の機会があれば身についていくといわれています。まず、人間の器用さやリズム感を担う神経系の発達は、出生直後から急激に発育します。幼児期は基本的な運動動作感覚を身につけるのに適していますので、様々な動きを体験することによって巧みな動きができるようになります。そのため、この頃に運動する機会を多くとることが大切であり、両親や友達と体を動かして遊ぶことが重要とされています。特に、「ボール遊び」や「鬼ごっこ」などは、遊ぶことによってバランスや回転の感覚が身につきます。
また、4歳くらいまでは大人の真似をするのが楽しい時期です。大人がただ「やってごらん」と子どもをせかすのではなく、「楽しいそうだからやってみよう」と一緒に体を動かすと子どものやる気が違ってくるそうです。一緒に楽しく遊ぶことが大切なのです。
神経系は生まれてから著しく発達し、10歳前後になると、ほぼ完成に近づきます。一度その経路が発達すると、大人になってもほとんど変わらないため、この時期は様々な身のこなしを身をつけるのに一番適しているといえます。例えば、いったん自転車に乗れるようになると、何年も乗らなくても、いつでもスムーズに乗ることができるのもそのためです。児童期は、ボールや道具を使って遊んだりすることによって、バランス能力や反射神経などを身につけ、神経回路に多種多様な刺激を与えることが重要です。
遺伝によって伝わるのは、筋肉の質やつき方、筋肉が強い、反応が速いといった、形態的なものです。しかし、これらの遺伝子だけですべてが決まり、一流のアスリートになれるわけではなく、あくまでも遺伝的要因は一流になるための一要素でしかありません。運動に親しむ環境や運動への取り組み方などが大きな影響を与えているのです。(監修:健康管理士一般指導員)