- 健康管理!教えて!!2025/06/04 23:43
「皮膚感覚」の構造やメカニズムとは? 機械受容器と自由神経終末が電気信号を発生

皮膚は、成人男性の場合で面積約1.6m2(畳1枚分)の広さを持つ。人体最大の感覚器官です。一般的に、「触覚」と呼ばれる感覚は、「皮膚感覚」の一部であり、そのほかにも「圧覚」「痛覚」「温度感覚」などが挙げられます。今回は、皮膚感覚の基本的な構造やメカニズムについてみていきます。
私たちは皮膚で5つの種類の感覚を感じることができます。何かに触れた感覚(触覚)、押された感覚(圧覚)、痛みの感覚(痛覚)、温かさの感覚(温覚)、冷たさの感覚(冷覚)で、これらをまとめて皮膚感覚と呼びます。そして、皮膚感覚を感じ取るために、皮膚には様々な感覚受容器が埋め込まれています。感覚受容器には、いくつかの種類があり、受け止める刺激の種類や、刺激を伝える信号の発生の仕方が異なります。
皮膚の構造としては、表面から順に、表皮・真皮・皮下組織の3層でできています。皮膚感覚の受容器は、主に皮膚の真皮に存在しており、いずれも神経の末端に位置しています。これには大きく分けて2つの種類があり、特定の構造を持つものを「機械受容器」、特定の構造を持たずに神経の先端が細くなっていく状態のものを「自由神経終末」といいます。
さらに、機械受容器は、全身に分布して圧力やゆっくりとした振動を感じる「マイスナー小体」、持続的な圧力を感じる「メルケル細胞」、より深い層で圧力や速い振動を感じる「パチニ小体」、圧力や皮膚の伸びを感じる「ルフィニ小体」の4種類に分けられます。
機械受容器は圧力を受けると変形し、電気信号を発生させます。また、圧力がなくなり、元の形に戻るときにも電気信号を発生させます。さらに、ルフィニ小体は、細長い小体が枝分かれし、皮膚にかかる圧力の方向が変化したときにも電気信号を発生することができます。一方、自由神経終末は、痛みや温かさを感じる受容器として働きます。物理的な圧力の他、細胞が傷ついたときなどに作られるプラジキニンなどの「発痛物質」を刺激として受け取って、電気信号を発生させます。(監修:健康管理士一般指導員)