「多汗症」の裏には別の病気が隠れている? 汗の異常からわかる体の変化

必要以上にたくさんの汗をかく状態のことを「多汗症」といいます。特に、緊張したときや驚いたときにかく精神性発汗による汗の異常のことを指します。手のひらに大量に汗をかく場合を手掌多汗症、足の裏にかく場合を足蹠多汗症と呼びます。ある程度の汗をかくのは当然のことですが、必要以上に汗の量が多い人は、多汗症が疑われます。

多汗症のはっきりとした原因は解明されていませんが、精神的に緊張したから汗がたくさん出るというのではなく、緊張したときに、発汗を促す交感神経が敏感すぎるために、汗をかくと考えられています。そのため、例えば、朝目が覚めたというごく普通に交感神経が活動し始めただけで、大量の汗をかいてしまうのです。

また、多汗症の裏には別の病気が隠れている可能性もあるので注意が必要です。例えば、更年期障害の症状に、汗をパッとかいてすぐにひくということがあります。これは、更年期になって、発汗を抑制するホルモンであるエストロゲンの分泌が低下することが原因とされています。

甲状腺機能亢進症が隠れている場合には、甲状腺ホルモンが増加し、基礎代謝が高まり、汗をたくさんかきます。甲状腺機能亢進症は、甲状腺から甲状腺ホルモンが多く出すぎるため、全身の細胞の新陳代謝が異常に高まる病気です。

このほか、副腎腫瘍の一種である褐色細胞腫になると、アドレナリンが大量に分泌されるので、代謝を高めるために多汗になることがあります。褐色細胞腫は、副腎髄質あるいは脊髄に沿った交感神経節細胞にできる腫瘍です。腫瘍からは、カテコールアミンというホルモンが分泌され、このホルモンの作用で様々な症状が現れます。その一つが多汗です。

このように、単に多汗症というだけでなく、汗の異常でわかる体の変化もあります。その意味で、汗は、体のシグナルを発しているともいえるでしょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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