眠りを促す「メラトニン」を活性化させるポイントは? 睡眠の質向上と老化防止にも期待

睡眠にかかわるホルモンに「メラトニン」があります。メラトニンは、脳の松果体という場所で生産され、体内時計をコントロールする脳の視交叉上核の細胞にある受容体に作用して眠気を促し、質の高い睡眠をもたらすとされています。その他に、成長ホルモンの分泌を促進させる役割や、高い抗酸化作用による老化防止、免疫力の向上といった効果も期待できるそうです。

しかし、メラトニンの分泌は加齢と共に低下していき、分泌がピークの10代に比べ50~60代では1/10程度にまで減少してしまいます。そのため、夜の寝付きが悪くなってしまったり、細胞老化が進みやすくなる他、免疫力の低下が起こってしまうのです。

では、メラトニンを活性化させるにはどうしたらよいのでしょうか。一つ目のポイントが、光環境を整えることです。メラトニンは、光に非常に敏感なホルモンなので、メラトニンの分泌を促すためには、毎日規則正しく太陽の光を浴びることが大切です。朝、太陽の光を浴びると脳の視交叉上核にある体内時計がリセットされます。それから14~16時間後にメラトニンの分泌が始まり、メラトニンの働きによって体の深部体温が下がり、深部体温の低下とともに自然と眠くなっていきます。

その一方で、メラトニンは太陽の光だけではなく人工的な光にも敏感に反応してしまいます。強い光を夕方から夜にかけて浴びてしまうと体内時計が乱れ、メラトニンの産生は抑制されてしまいます。これによって、メラトニンの深部体温を下げる働きが低下し、寝付きが悪くなり、睡眠の質の低下や生活習慣病などを引き起こすことにつながります。夜寝る前は、スマートフォンやパソコンなどから発せられる強い光「ブルーライト」をカットするよう画面を暖色系の光に変えたり、ブルーライトカット眼鏡をかける、あるいは端末の画面自体にブルーライトをカットできるシートを貼り付けるなど工夫しましょう。部屋の明かりも夜は暖色系の光に調節するとよいそうです。

もう一つのポイントは、「セロトニン」の分泌を促すことです。セロトニンは、メラトニンを産生する上で必要不可欠な神経伝達物質で、脳の神経細胞間で作用します。セロトニンは朝、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされると分泌され始め、それが睡眠を促すメラトニンの材料となります。セロトニンを増やす方法としては、朝の光を浴びることに加え、ウォーキングやダンスなどのリズム運動をする、好きなものを良く噛んで食べる、ゆっくりとした腹式呼吸をする、セロトニンの材料となるアミノ酸(トリプトファン)を摂取するなどがあります。加齢にともなうメラトニンの分泌低下を悪化させないためにも、生活リズムや光環境を整えて、メラトニンを活性化させましょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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