食物アレルギーを起こしやすい食品とは? アレルギーの特定原料(表示義務)に「くるみ」が追加

容器包装された加工食品には、食物アレルギーをもつ消費者の健康危害の発生を防止する観点から、過去の健康危害などの程度、頻度を考慮し、特定原材料を定め、当該特定原材料を含む旨の表示が義務づけられています。消費者庁では、定期的に実態調査を行い、発症数や重篤度を基に適宜見直しを行っているそうです。最近では、昨年3月9日に食品表示基準が改正され、「くるみ」が特定原料に準ずるものから「特定原料(表示義務)」に変更されました。

食品表示基準の対象となるアレルゲンは、発症数や重篤度から表示を義務付けられている「特定原料」と、表示を推奨する「特定原料に準ずるもの」の2種類に分けられます。現在、「特定原料」は、えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)に、くるみを加えた8品目。「特定原料に準ずるもの」は、アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチンの20品目となっています。

食物アレルギーでは、これら特定の食品を飲食することによって体内に抗原(異物)となる物質が取り込まれ、免疫システムが過剰に働くことで、体にさまざまな不利益な症状が起こります。消費者庁が2020年に行った調査によると、食物アレルギーの原因となる食物は、鶏卵(33.4%)、牛乳(18.6%)に次いで、木の実類(13.5%)が多く、前回の調査まで3位であった小麦を抜いて第3位となっています。

木の実類の内訳としては、くるみ(56.5%)が半数以上を占めており、くるみによるアレルギー症例数の増加がみられます。このことから、特定原料(表示義務)にくるみが追加されたものと思われます。また、くるみに次いで多いカシューナッツ(21.2%)についても増加傾向にあるため、可能な限り表示することが推奨されています。この原因には、木の実類の消費量が増加していることが関係しているといわれています。

食物アレルギーの主な症状には、口腔内や唇のかゆみ・腫れ・違和感、めまい、吐き気、腹痛、じんましんなどがあり、さまざまな症状が現れます。場合によっては、血圧低下や意識障害をともなうアナフィラキシーショックを起こす危険性もあるそうです。「ショック症状を引き起こした原因食物」としても木の実類(そのうち約50%はくるみが占める)は増加しており、鶏卵、牛乳に続き第3位となっています。なお、表示義務化には2年間の猶予期間が設けられており、来年3月31日までに製造される加工食品等にはくるみの表示がない場合もあるため気をつけてください。(監修:健康管理士一般指導員)


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