食物を「飲み込みにくい」と感じたら? 高齢者には飲み込みやすくする工夫を

年齢を重ねると、自然と筋肉の力は低下していきます。それは、食物を飲み込むための筋肉も例外ではありません。また、気管に食物が入ったときに反射的にむせるための神経や筋肉の力も低下するため、食物がのどに詰まったりむせたりしやすくなります。さらに、噛む力が低下することで、食物をよく噛まないまま飲み込んでしまうことも、飲み込みにくくなる原因です。

では、食物を飲み込む仕組みをみてみましょう。まず、食物を嚙み砕いて唾液と混ぜ合わせ、塊にします。次に、舌を、舌先から舌奥の順に上顎に押しあてて、食物を喉へ送り込みます。すると、喉頭蓋が下がり、気管の入り口をふさぎます。そして、食物は食道に入り、ぜん動運動によって胃へと送り込まれていきます。

ここでポイントになるのが、食道は、気管のすぐ隣に存在しているため、食物が誤って気管に入りやすいということです。食物が気管に入ると、呼吸ができなくなったり、唾液や口の中の細菌が気管に入って増殖し、誤嚥性肺炎を起こしたりすることがあります。誤嚥性肺炎は、高齢者がかかる肺炎のうち、かなりの割合を占めるうえに、死に至ることもあるので注意が必要です。

食物が飲み込みにくいと感じるようになったら、食事の前に、お茶や牛乳などの水分をとって、不足しがちな唾液の代わりに口の中を潤わせましょう。また、高齢者にとっては、「パサパサ」「モソモソ」「ボソボソ」としたものは、噛みにくく飲み込みにくいため工夫が必要です。片栗粉やコーンスターチ、市販のとろみ粉などで「ツルリ」「トロリ」とした滑らかさや粘り気をつけることをおすすめします。

高齢者が食べやすくなる工夫を以下に紹介しますので、参考にしてください。

「揚げ物」・・片栗粉でとろみをつけたあんをかける。
「パン」・・スープやシチューなどの水分と一緒に食べる
「麺類」・・あらかじめ適度な長さに切ってから調理する
「餅」・・野菜と一緒に軟らかく煮る
「芋類」・・少しつぶしてから食べる
「海苔」・・喉に貼り付きやすいため、刻み海苔を活用する
「酢」・・むせる原因になるため、少量のだし汁で薄めてから使う

また、高齢者は、食欲がわかなくなることで、飲み込む機能が低下することもあります。食事の前に、ベランダや庭に出て外の空気を吸うようにすると、体の緊張がほぐれて食欲が高まります。色も食欲に影響します。赤や黄などの暖色系の色は食欲を高めるので、食器やランチョンマットに積極的に取り入れてみましょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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