年末年始に気をつけたい食中毒 O157・ノロウイルス感染予防のポイントを紹介

衛生管理の世界的リーディングカンパニー・エコラボの日本法人、エコラボ合同会社は、この時期に注意すべき食中毒の感染予防対策について紹介している。

例年、O157をはじめとした腸管出血性大腸菌による感染症は、初夏から初秋にかけての夏季に多く発生するが、食中毒は年間を通して発生するため冬季でも警戒が必要とのこと。最近でもO157による集団食中毒事故が報告されており、東京都健康安全研究センターの発表によると、新型コロナウイルス感染症の流行による外出・外食控えの影響もあってか2019年以降の報告数(人)は減少していたが、2023年の報告数はすでに2019年の数字を上回っている(腸管出血性大腸菌感染症の年別報告数推移(過去10年)(出典:東京都健康安全研究センター)※2023年は11月30日時点)。

O157は100個程度の少ない菌でも感染が成立し、主な症状は腹痛や下痢、血便で、嘔吐や発熱をともなうこともある。ほとんどの人は二週間くらいの症状で治まるが、O157が大腸管内で増殖時に出すベロ毒素による「溶血性尿毒症症候群(HUS)」になると、重い貧血や急性の腎不全などを引き起こし、命にかかわることもあるという。また、ベロ毒素にはVT1とVT2とその亜型が存在しており、VT2のほうがより強い毒性を持っている。ベロ毒素を出す大腸菌に感染した場合は感染症法に基づき保健所への報告が義務づけられている。

また、O157はヒトや家畜の腸内に存在するが、ヒヅメが二つに割れている偶蹄目(主に牛)は食物の反芻を行うことによって腸内にO157を保有していることがあり、牛の処理工程でどうしても腸内容物の暴露が避けられないため、牛の枝肉からO157を完全に滅菌することは難しいとされている。また肉だけが感染の原因ではなく、日本国内では井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソースなどさまざまな食材からO157が検出されており、食材の衛生管理が重要視されている。

O157は低温に対しては強く、冷凍しても死滅することはない。一方、熱には弱い性質があり、75度1分間の加熱で死滅するため食材をよく加熱することが重要となる。

生の肉、魚、卵を扱った包丁、食器、まな板、調理器具をそのまま用いて他の食材を扱わないようにしよう。必ず洗浄除菌された清潔な調理器具で他の食材を扱うように。食材別にまな板の色を替えることも有効だとか。

手洗いは物理的に菌を落とす効果がある。ハンドソープを使用することでその効果はさらに向上する。調理前、生の肉、魚、卵を取り扱った後には必ず手を洗おう。
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また、流行が本格化しているノロウイルスにも注意が必要だ。感染力が非常に強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまう。また、二枚貝などの食品だけでなく、感染者の糞便や嘔吐物により汚染された手を介してドアノブなど身近な場所にウイルスが広がるため、日常生活における予防意識が重要となる。

手洗いはハンドソープを使って20秒以上丁寧に行うことを推奨している。アルコール消毒は手洗いができない場合の代用となる。手洗いができる場合は手洗いを優先しよう。

排便後にお尻を拭く際に、トイレットペーパーで覆われていない親指の付け根が最も汚れやすくなるのだとか。長袖の場合は、袖口にも汚れが付着しやすいため、袖をまくるようにしよう。手洗いでは、親指の付け根をねじり洗いすると効果的となっている。手が荒れていると、ヒビやウロコにウイルスが入り込みやすくなり、小まめな手洗いも避けがちになるため、日頃からハンドクリームを塗るなどして保湿ケアをしよう。

トイレのフタを閉めないで排便後の水を流すと、ウイルスが空中に飛散してしまう(海外の研究では、便座の上25cmまで飛散し、90分間も浮遊するというデータもある)。洋式トイレに比べて和式トイレの方が汚染されやすいとのこと(長野県北信保健福祉事務所調べ)。トイレのフタを閉めることで暖房便座の熱が逃げにくく節電にもつながる。

嘔吐物は絶対に素手では触らないでほしいとのこと。嘔吐物が飛び散る可能性があるため、処理にあたる人以外はその場から少なくとも3mは離れよう。多くの除菌成分は有機物(固形物)と共存すると失活しやすいため、除菌前に有機物を取り除く。処理に使用したものは嘔吐物と一緒に処分し、処理後は必ず手を洗おう。


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