顔の「しわ・たるみ」はなぜ起こる? 肌を支える縁の下の力持ち「表情筋」の働き

年齢と共にだんだんと「顔のたるみが気になる」「しわが増えてきた」「ほうれい線が濃くなってきた」と悩んでいる人は多いと思います。特にマスク生活が明けた昨今では、マスクなしで初めて会う人と話をする際に、緊張してしまうという人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、いつまでも若々しい顔を維持するために、皮膚を支える縁の下の力持ちである「表情筋」について見ていきましょう。

顔には30種類以上の筋肉が存在しており、それらを総称して表情筋と呼びます。表情筋は大きく2つに分類され、1つは比較的皮膚に近い部分にある「表層筋」、もう1つは骨に近く深いところにある「深層筋」です。これらの筋肉が協力し合うことで目や口、鼻、頬などを動かし、喜怒哀楽などの様々な表情をつくっています。では、なぜ年齢と共に、しわやたるみは起こるのでしょうか。

顔のしわ・たるみというと、皮膚内部に存在するコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質の減少を考えるかと思います。もちろんこれらの減少も関係していますが、それ以上に重要なのが、皮膚の下で支えている表情筋の衰えです。表情筋の性質は、おしりや足の筋肉と違って太く厚みのあるものではなく、細く繊細で薄く幅の広い形状の筋肉が多いため、衰えてしまうと顔の皮膚や脂肪を支えられなくなり重力に負けて顔全体がたるんでいくそうです。

そして、表情筋の中でも特に顔の老化に関係しているのが「頬骨筋」「口輪筋」「眼輪筋」とそれらと連動し、顔を支えている「表在性筋膜」です。「頬骨筋」は、頬の部分に位置する筋肉で、大頬骨筋と少頬骨筋で構成されています。大頬骨筋は、口角を吊り上げる筋肉で、大口を開けて笑うなど、ダイナミックな笑顔をつくるときに働きます。少頬骨筋は、上唇周辺に位置し、上唇を斜め上方向に引き上げる作用を持っています。「頬骨筋」が萎縮すると表在性筋膜(表情筋同士をつなぐ膜)の張りが失われ、皮下脂肪が重力で下がり、頬の「たるみ」につながります。その結果、口の周囲の筋肉である口輪筋との境目に溝が生じて「ほうれい線」が生まれるとのこと。

「口輪筋」は、口元を円のように囲んでいる筋肉で、口を閉じる、唇を突き出すなど口元の微妙な表情をつくり、寡黙な表情を表すときに働きます。「口輪筋」が衰えると、口元のたるみや口角の下がり、ほうれい線など老け顔の原因になる他、口輪筋が衰えることで、口を閉じていられなくなり、唾液が蒸発して口の中が乾燥しやすくなります。それによって口腔内の細菌増加や虫歯の多発、歯肉炎、口臭につながる恐れもあるそうです。

「眼輪筋」は、目の周囲をぐるっと囲むように伸びている筋肉です。まぶたを開けたり閉めたりする働きがあります。この筋肉が衰えると、目の周りの眼輪筋に抑えられていた脂肪が出てしまい目袋(目の下のふくらみ)ができる、目じりが下がる、ゴルゴライン(目頭から頬にかけて斜めに伸びる線)ができるなどの状態になるとのこと。最近は、スマホやパソコンの画面を見ている時間が長く無表情でいる時間が長い傾向にあるため、眼輪筋を動かす機会が減っていることが眼輪筋の衰えの原因であるといわれています。

「表在性筋膜」は、頭皮の下の帽状腱膜から首の広頚筋とつながって頬全体を支えています。若い人は、表在性筋膜に厚みと柔軟性があり、表情筋と共にしなやかに伸び縮みして頬をきゅっと上に上げたりしていますが、加齢によって表情筋が衰えて薄くなると、連動している表在性筋膜も次第に柔軟性を失い、張りがなくなってたるんだりします。すると頬が垂れ下がって顔や首にもしわができやすくなるだけでなく、上手く笑えなくなったり無表情になったりします。しわやたるみを改善するためには、表情筋を鍛えて表在性筋膜の張りを取り戻すことが大切とされています。(監修:健康管理士一般指導員)


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