「快楽物質」とも呼ばれるドーパミンの働きとは? 依存症を引き起こしてしまう原因にも

私たちは、楽しいことをしているとき、目的を達成したとき、褒められたときなどに快感や幸福感を感じます。これは、脳内にドーパミンが分泌されるためです。ドーパミンは、何かをしようとする意欲や動機付けにも関係しています。これから新しいことを始めようとしたり、旅行の計画を立てているときワクワクするのもドーパミンの分泌によるものです。また、ドーパミンは「快楽物質」とも呼ばれ、ある行為でドーパミンが放出され快感を感じると、脳がそれを学習し、再びその行為をしたくなるそうです。

ドーパミンを放出する主なドーパミン神経系は、脳幹にある「腹側被蓋野」と「黒質」から伸びています。腹側被蓋野から伸びる神経系は、大脳辺縁系にある「側坐核」およびその先にある「前頭連合野」へ達しています。側坐核や前頭連合野でドーパミンが放出されることで、快感や幸福を感じ、やる気が出てくるとのこと。しかし、ドーパミンが増えすぎると、感情や思考、行動などを統合することができなくなる「統合失調症」になり、幻覚や妄想などの症状が起こるようになります。

また、ドーパミン神経系は、より大きい快楽を求め続けます。それが仕事や勉強といった自分にプラスに働くものであればよいですが、時としてその快楽を再び味わいたいという欲求に負けて、依存症や中毒になってしまう場合があるそうです。例えば、ゲーム依存症では、ステージをクリアしたり、対戦相手に勝ったりしたとき、ドーパミンが大量に放出されて快感を感じます。すると脳は、この快感を何度も味わいたいと思うようになり、毎日のようにゲームをしたくなってしまうのです。そのほか、ドーパミンの快感を求め、買い物依存症やパチンコ依存症、スマホ依存症などを引き起こすケースもあります。

アルコール依存症の場合は、アルコールを摂取することによってドーパミンの放出を抑える神経伝達物質の分泌が低下し、結果的にドーパミンの濃度が高くなります。アルコール依存症に陥ると、アルコールを飲むことでさまざまな問題が生じているのにもかかわらず、飲酒をコントロールできなくなり、飲む量を増やさないと酔った気分にならず、手が震えたり動悸がしたりといった離脱症状が表れてきます。

さらに、ドーパミンの報酬を求めるがゆえに、人生をも狂わせてしまうのが覚せい剤です。覚せい剤は、構造がドーパミンに似ているため、受容体を騙して結合してしまうとのこと。通常、脳内で産生された神経伝達物質は、受容体へ結合した後、すぐに分解され離れるようになっていますが、覚せい剤は受容体へ結合したままとどまり、信号を伝え続けます。そのため、異常な快楽を感じるようになるそうです。たった1回の過ちが深刻な依存症につながる覚せい剤には、絶対に手を出さないようにしてください。(監修:健康管理士一般指導員)


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