食材を「洗う」「切る」ことで起こる変化とは?

料理を作る際には、ほとんどの食材を水で洗い、適度な大きさに切ってから調理することになります。実はこの時、食材を洗って、切るという行為が、食感や味、栄養価などさまざまな要因に影響を及ぼしているそうです。では、「洗う」「切る」ことで食材にどのような変化が起きているのでしょうか。

まず、食材を洗うことは、食材についた汚れや残留農薬などを取り除き、清潔で安全なものにするというプラスの効果があります。一方で、食材に含まれている水溶性成分であるビタミンCやビタミンB群を洗い流してしまうというマイナス面もあるとのこと。また、食材を水に浸けたり洗うにあたり、水道水を使うか、食塩水で洗うかによっても、食材に与える影響は変わってきます。これには、食材を構成している細胞の浸透圧が関係しています。

例えば、ある野菜の細胞内の塩分濃度よりも濃度が低い水道水に浸しておくと、浸透圧によって水が細胞内に吸収されパンパンに膨れるのでハリが生まれ、みずみずしい状態になります。レタスなどを切った後、水に浸しておくと見た目や食感がよくなるのはこのためです。反対に、野菜に塩をふると、表面についた水分に塩が溶け、濃い食塩ができます。これによって野菜の外側の食塩濃度が高くなるため、これを調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から外側へと水分がしみ出して、しなしなになります。生野菜を調理するときには、あらかじめ野菜を塩もみして水分を出してから味付けをすると、水っぽくならずに良い状態で食べることができるそうです。

次に、食材を切ることでの変化を見てみましょう。食材を切ると、食材を構成している細胞内の水分がこぼれ出てきます。ある程度は仕方のないことですが、問題はこぼれ出る量です。切れ味の良い包丁で切断すれば包丁の刃の当たった細胞だけが切断されます。しかし、切れ味の悪い刃で切ると、多数の細胞が押しつぶされて大量の細胞内液がこぼれ出てしまいます。これは、味や舌ざわり、見た目、保存性を悪くするだけでなく、食材の栄養成分を損失することにもつながります。

また、野菜を切る場合には、野菜に通っている繊維を、目的に応じて切断したり残したりする場合があるそうです。食べた後の消化のことを考えると、食材を横方向に切って繊維を短くするほうがよいでしょう。しかし、シャキシャキとした歯ごたえを楽しむことや、白髪ねぎや生姜のように細く切ることで見た目を楽しむ場合には、食材を縦方向に切ることになります。

肉や魚の場合は、筋肉が主な可食部となります。筋肉は、筋繊維という細長い細胞の集まりで、動物の体の縦方向に沿って配列しているため、体を横に切るように、つまり筋繊維を切断するように切ったほうが、口当たりがよく食べやすい食感になるとのこと。そのため、魚の切り身や刺身もすべてこの方向を意識して切られているそうです。(監修:健康管理士一般指導員)


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