コーヒー豆を焙煎するとどうなる? さまざまな成分が変化しコーヒーの風味や味の決め手に

コーヒーを淹れるときは、生のコーヒー豆ではなく、焙煎したものを使います。焙煎とは、加熱プロセスの一つで、油や水を使わずに食材を高温(180~250℃)で加熱乾燥させる方法です。簡単に言えば、生のコーヒー豆に熱を加え、成分を変化させることでおいしい食品にすることです。焙煎時間の長さによって「浅煎り・中煎り・深煎り」に区別され、酸味や苦み、色などに違いが現れます。では、焙煎によってコーヒー豆はどう変化するのでしょうか。

コーヒー豆の主な成分は、タンパク質、糖質、カフェイン、クロロゲン酸です。これらは、コーヒーの醍醐味である酸味や苦味、そして香りに大きく関係しています。特に熱によって変化を受ける成分は、タンパク質、糖質、クロロゲン酸で、これらの成分が熱によって起こす現象が、メイラード反応・カラメル化反応・クロロゲン酸の加水分解とされています。

まず、メイラード反応は、アミノ酸と糖質の反応で、コーヒー特有の褐色色素や香ばしい香りの成分を作り出します。次に、カラメル化反応は、メイラード反応と同時に起こっており、変化としては、褐色色素や香ばしい香り、旨味そして苦味です。メイラード反応と同じように感じますが、カラメル化反応は糖質のみの反応であり、カラメルソースやキャラメルなどの甘苦い感覚がこれにあたります。ただし、反応が進みすぎると糖が炭化(焦げ)し、苦味が増してしまいます。コーヒーの苦味成分の1~3割を占めているのはカフェインですが、焙煎による変化はほとんどないそうです。

クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で植物の持つ色素などの機能性成分です。これはコーヒー豆に含まれる酸の一種であり、加熱によって豆の中の水分と加水分解を起こすことで酸味の度合いが変わり、渋味や苦味にもなる多様な物質とのこと。浅煎りだと酸味が強く現れ、深煎りだと苦味に変わります。このようにコーヒーは、焙煎することでさまざまな成分が変化し、おいしいコーヒーの風味や味を作り出しているのです。

また、コーヒーの味や風味の違いは、焙煎時間だけでなく、産地や製法によっても変わってきます。コーヒー豆は、栽培されている国や地域によってモカやブルーマウンテンなどの銘柄がつけられています。基本的な成分は同じですが、栽培されている環境、実から果肉を取り除く精製の方法が銘柄によって異なることから、わずかな成分の違いが生まれ、それが香りや味の違いに結びついていると考えられています。(監修:健康管理士一般指導員)


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