加熱によって「肉」はどう変わる? 色・香り・風味が変化する仕組みとは

調理において最も重要な処理は加熱です。加熱には、煮る、蒸す、焼く、炒める、揚げるなどの方法があります。これらの方法によって、食材をアレンジすることで、料理をよりおいしく味わうことができます。では、加熱をすることで、食材はどのように変化するのでしょうか。今回は、タンパク質を多く含む代表的な食材である「肉」にフォーカスを当てて、加熱による変化についてみていきましょう。

まず、肉に多く含まれているタンパク質は、加熱によって色素の変化が起こるとのこと。一般的に、加熱前の肉は赤い色をしていますが、これにはヘモグロビンとミオグロビンが関係しています。ヘモグロビンは血液の色素タンパク質で、酸素の運搬を行っています。一方、ミオグロビンは、筋肉中の色素タンパク質で、酸素を蓄える働きをしています。肉は処理の過程で血抜きを行うため、肉の赤い色は主にミオグロビンによるものです。

処理した肉の色は、ミオグロビンによって本来は暗赤色をしているそうです。しかし、スーパーなどで見かける肉の色は鮮赤色をしています。これは、ミオグロビンが空気に触れて、オキシミオグロビンに変化しているからです。そして、肉を加熱すると、赤色から灰褐色へと変化していきます。その理由は、加熱によってグロビンというタンパク質が熱変性を起こし、色素の保護作用を失って酸化が進み、メトミオグロモーゲン(灰褐色)になるとされています。

また、肉を加熱すると、香ばしい焼き目がつき、肉特有のおいしそうな香りが生じます。これは、肉の中で「メイラード反応」という化学反応が起きているのが原因とのこと。メイラード反応は、肉を加熱することで赤身に含まれている糖質(グルコースなど)とアミノ酸(グルタミン酸やイノシン酸など)が反応し、メラノイジンという物質を生み出します。この物質によって、香ばしい褐色や肉らしい風味が生じてくるそうです。しかし、加熱が長時間になると、肉汁の損失や焦げ付きが大きくなり、風味が損なわれてしまうので気をつけましょう。

ちなみに、牛や鶏など肉の種類によって赤やピンクと違う色に見えるのは、筋肉の運動量とミオグロビンの量が違うからです。ミオグロビンは筋肉中で酸素を蓄えるため、牛のように運動量の多い動物ほど多くのミオグロビンを含みます。その結果、より濃い赤色の肉になるとのこと。鶏は、速筋という瞬間的に大きな力を出せる筋肉の割合が多く、この筋肉は動かすときに酸素を使わないため、ミオグロビンが少なく、肉の色も薄くなるのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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