受けたストレッサーが有害か無害かを判断する「ストレスの認知的評価」

私たちは周囲からストレッサーが加わると、身体の変化(ストレス反応)が起こります。しかし、ホルモンバランスの不調や免疫力の低下といった生物化学的な反応はすぐに起こるわけではないとのこと。その前に、私たちの身体は頭の中で刺激を判断して処理しようとします。このように、ストレッサーを受けたときにそれが有害なものか、無害なものかを判断することを「ストレスの認知的評価」といい、それに対抗して対処することを「コーピング」と呼んでいます。

ストレスの認知的評価は、一次評価と二次評価の2段階で評価を行います。この理論は、アメリカの心理学者ラザルス博士によって述べられたものです。まず、第一段階では、ストレッサーを受けたときにそれが自分にとって「無関係」か「無害-肯定的」か「ストレスフル(有害)」かの判断を行います。この段階は、その人の今までの価値観や物の見方、考え方が強く影響するそうです。

例えば、「上司に仕事を頼まれた」という事実に対して、何の意味を持たず、得るものも失うものもないような時は「自分がやるべき当然の仕事」と考え、「無関係」と評価します。また、それに対して、「自分には無理だ」「なぜ自分がやらなければいけないのか」と考える人は「ストレスフル(有害)」と評価します。そして、「無害-肯定的」は、受けたストレッサーが良好な状態の維持や増進に結びつくような場合の評価を指します。

次に、二次評価では、第一段階で「ストレスフル(有害)」と評価されたストレッサーに対して、その状況を処理したり切り抜けたりするために、何をするべきかを検討します。ここでは、過去の経験や周りにある資源、その人の性格などに基づいていて、いつ、どこで何をどのようにすると最善な結果が得られるのかをいろいろ考えて方針を立てていきます。

例えば、上司に仕事を頼まれたことが「ストレスフル(有害)」と評価された場合、そのあとでどのような問題が起こるのか、どのようなことをすれば起こりうる問題が最小限ですむのか、ということを過去に経験のある担当者に相談したりすることで情報を集め、心構えをすることができます。このように、その出来事について検討を行い、対処の準備を行うのが第二段階となります。

そして、有害なストレッサーにうまく対処するためにコーピングを行います。コーピングには大きく分けて「問題焦点型」と「情動焦点型」の2つの種類があります。問題焦点型は、ストレッサーそのものに働きかけて、原因となるものを解決し除去しようとするアプローチ。一方、情動焦点型は、ストレッサーに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感情を変えようとするアプローチです。こうした対応でうまくコーピング(対処)できれば、心身の安定を保つことができるそうです。(監修:健康管理士一般指導員)


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