- 健康管理!教えて!!2025/12/08 22:40
お酒は薬として使われていた? 体を温める熱・温の酒と体を冷やす涼の酒

紀元前の昔から人類に飲まれているお酒は、残った食べ物を食べたところ気分がよくなったことから、世界各地で偶然に発見されたと考えられています。中国では、紀元前5000年頃とされる遺跡から酒壺が見つかり、当時はコウリャンなどの穀物を原料としていました。また、お酒は、薬の始まりであると考えられ、その優れた働きは「百薬の長」とも呼ばれています。患者の治療にも薬としてお酒が用いられていたため、「医」の古い字の一部には「酉(=酒)」という字が入っています。
お酒の作り方は、大きく醸造酒と蒸留酒に分けられます。醸造酒とは、穀類や果実を原料として、これを発酵させてつくったものです。発酵とは、有機物が微生物の働きによって分解され、特定の物質をつくり出す現象を指します。発酵のうち、糖類が酵母(菌)の働きによって分解され、エチルアルコールと二酸化炭素をつくり出すことをアルコール発酵といいます。こうしてできたアルコールによって、酔いがもたらされるのです。醸造酒の種類は、清酒やビール、ワインなどが代表的です。
蒸留酒とは、醸造酒などをさらに蒸留してつくったものです。アルコールの含有率が高く、強烈な味がします。蒸留酒の種類には、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎などが代表的です。蒸留酒は、紀元前800年頃にインド付近で最初につくられたと考えられています。
さらにお酒は、食物と同じように、飲んだ後に体を温めるものと冷やすものがあり、健康に役立つ作用が期待できるとされています。熱・温の酒には、胃腸から体全体を温めて内臓の機能を高め、気・血・水(津液)の巡りをよくする働きがあるそうです。熱・温の酒としては、紹興酒、焼酎、ワインが代表的です。一方、涼の酒には、体にこもった熱をおさめ、暑さによる疲れを解消するほかに、胃腸を整え、消化を促して食欲を促進させる働きがあるとされています。涼の酒としては、ビールが代表的です。(監修:健康管理士一般指導員)
















