- 健康管理!教えて!!2025/11/13 22:46
体内における「不飽和脂肪酸」の役割とは? 細胞膜の柔軟性を保ち血中コレステロールの酸化リスクを抑制

私たちの体内の細胞が正常に機能し、美と健康を維持するためには、細胞内外の物質の出入りを調整している細胞膜の働きが重要です。そして、その細胞膜の柔軟性を保ち働きを維持するためには、細胞膜を構成しているリン脂質の成分として、飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸が高い割合で必要となります。一方で、不飽和脂肪酸は酸化されやすいため、過剰な活性酸素にさらされると過酸化脂質となり、その影響で細胞膜の機能が低下するという問題が生じます。
しかし、細胞膜の中には抗酸化作用のあるビタミンEが存在し、身代わりとなることで不飽和脂肪酸が過酸化脂質となるのを防いでいます。また、身代わりとなり酸化されたビタミンEは、生体内のビタミンCによって還元されることで、再びビタミンEの働きを取り戻すことができます。こうしたことから、抗酸化作用のあるビタミンEやビタミンCを日頃から意識してとることが大切です
また、食事によって体内に取り込まれたDHAやEPA、αリノレン酸などのn-3系(オメガ3)の不飽和脂肪酸は、血液中のLDLコレステロールが活性酸素によって酸化されて動脈硬化につながるリスクを抑える働きがあると考えられています。DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、LDL受容体(肝臓に最も多く存在する)を増加させるため、血液中のLDLが肝臓に取り込まれやすくなり、肝臓内で調整され処理されます。さらに、これらの不飽和脂肪酸は、肝臓内でのコレステロール合成を促進する酵素の働きを阻害したり中性脂肪の分解を促進することによって、血液中の総コレステロール量を低下させる作用があるといわれています。
このように、不飽和脂肪酸自体は酸化されやすいという特徴を持ちながら、血中コレステロールの酸化リスクを下げる働きをもつことは、とても興味深いものです。LDLコレステロールが高めの人は、DHAやEPAを多く含む魚を積極的にとることで酸化リスクを抑えるように心がけてください。(監修:健康管理士一般指導員)
















