矢野経済研究所、国内の葬祭ビジネス市場調査、2023年の市場規模は前年比105.0%の1兆7273億円と予測

矢野経済研究所は、国内の葬祭ビジネス市場を調査し、市場規模、セグメント別の動向、将来展望を明らかにした。その結果、2023年の葬祭(フューネラル)ビジネス市場規模は前年比105.0%の1兆7273億円と予測した。コロナ禍以前の水準には戻っておらず、単価下落によって長期的には縮小傾向が続くとみられる。

2022年の葬祭ビジネス市場規模(事業者売上高ベース)は、死亡者数の増加に伴い、前年比106.6%の1兆6447億円と推計した。コロナ禍の影響によって2020年は市場規模が前年比で約2割消失したものの、新型コロナウイルス感染症に関連する行動制限がなくなったこともあり、2021年および2022年は回復傾向にある。しかしながら、終活やコロナ禍等をきっかけに葬儀の在り方を検討する機会が増え、家族や近しい親族、故人の親友のみで執り行う小規模な「家族葬」が葬儀形式のスタンダード(主流)となりつつある。また「直葬・火葬式」が増えたことに伴い、通夜振る舞いや精進落としなどの「飲食費」が著しく減少したことで、2022年の同市場はコロナ禍以前の水準には回復していない。

2022年の葬祭ビジネス市場規模1兆6447億円のうち、費目別シェア(構成比)は葬儀費用が全体の73.2%で7割以上を占め、飲食費が12.5%、返礼品が14.3%だった。

また、同年の費目別の市場規模を見ると、葬儀費用は2019年比94.0%で1兆2039億円、飲食費は2019年比75.8%で2056億円、返礼品は2019年比87.9%で2352億円と推計した。コロナ禍の影響によって、特に通夜振る舞いなどの飲食を控える傾向が顕著となり飲食費が大きく縮小した。

2023年の葬祭ビジネス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比105.0%の1兆7273億円と予測する。また、10年後の2032年は2023年比で102.4%となる1兆7684億円になると予測する。

高齢者の人口増加に伴い死亡者数は今後も増加するとみるが、葬儀形式においては大人数・高単価の「一般葬」から少人数・低単価の「家族葬」、「直葬・火葬式」、「樹木葬」などへの移行が進んでいくと考えられ、葬儀単価は死亡者数の増加を上回るペースで下落するとみる。一方で、同市場は底堅い需要によって回復していくことが見込まれる。

しかしながら、2032年の予測値でも2019年の水準には回復しないとみており、実質的には葬祭ビジネス市場はなだらかな縮小傾向にあるともいえ、長期的には縮小傾向に転じていく可能性が高い。こうしたなかDXによる業務効率化や、高齢期の生活を支えるための住宅や介護に関するサービスなどを提供するライフエンディング事業の拡大などの新たな取り組みを行うことによって葬祭ビジネス周辺市場が拡がっていくと考える。

[調査要綱]
調査期間:6月~8月
調査対象:葬祭ビジネス関連事業者
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、インターネットアンケート調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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