- 健康管理!教えて!!2025/10/06 20:39
腎臓の糸球体でろ過された老廃物はどうなる? 原尿から尿がつくられ体外へ排泄

腎臓には、血液をろ過する非常にきめ細かいフィルター「糸球体」があります。全身を巡る血液は、糸球体を通過する間に赤血球や白血球などの血球、分子の大きなタンパク質など体に必要な成分以外はろ過されます。では、腎臓の糸球体でろ過され、血液から取り除かれた老廃物はどうなるのでしょうか。
老廃物は、「原尿」という尿のもとになります。原尿の中には、水分の他、電解質やブドウ糖、タンパク質の代謝物である尿素、有機酸など様々な成分が含まれています。大人では1日に約150L(ドラム缶1本分程度)もの原尿がつくられますが、それがすべて尿として排泄されるわけではありません。尿細管を通る間に、体に必要な水分や電解質、ブドウ糖などの成分は、原尿から再吸収される仕組みになっています。最終的に尿として排泄される量は1日に約1.5Lとされています。
原尿が尿として排泄されるまでの流れを見てみましょう。まず、原尿は近位尿細管で老廃物が取り除かれますが、その約80%が再吸収されます。そして次に、近位尿細管の下にあるU字型のヘレン係蹄という部分で、さらに水分が吸収され、尿の濃度が調整されます。次の遠位尿細管では、ナトリウムや水分、塩素が吸収される一方、取り込みすぎたカリウムなどが尿中に出されます。ここで水分や電解質の量の最終的な調整が行われ、集合管という太い管に流れ込みます。
集合管では、さらに抗利尿ホルモンの働きによって水分や尿酸が再吸収され、体に不要とされる老廃物を含む水分が腎杯、腎盂に集められます。これが尿管を通って膀胱に溜められ、尿として排泄されるのです。ちなみに、途中で再吸収された水分や成分は、血液に戻されて腎静脈から下大静脈に入って心臓へと戻り、再び全身を流れるようになっています。(監修:健康管理士一般指導員)